慰安婦問題は振り出しに? 蒸し返し続ける韓国側の事情

1月16日(火)16時0分 NEWSポストセブン

韓国は何度でも蒸し返してくる(AFP=時事)

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 いったい何度“約束”を反故にするのか。1965年、朴正熙政権と交わした日韓基本条約から50余年──この隣国は、国家間の協定も、大統領の発言も、首脳が握手して交わした合意さえも、平然と踏みにじってきた。そして文在寅大統領は慰安婦問題を巡る嘘と裏切りの歴史に、新たな1ページを加えようとしている。


 そもそも日韓の過去の賠償問題は、1965年の日韓基本条約および日韓請求権協定で解決済みだった。このとき個人保障は韓国政府が行なうと主張したので、日本政府から韓国に5億ドルが提供された。ところが、1992年1月の日韓首脳会談で宮澤喜一首相が謝罪の言葉を連発、翌1993年には、河野洋平官房長官が「河野談話」を発表した。


 この後、日本では自民党が下野し、細川、羽田内閣と続いた後、自民党・社会党・さきがけの3党連立の村山政権が誕生。韓国側の怒りを収めるため、1995年に設立されたのが、「アジア女性基金」である。


 アジア女性基金は、日本政府が約48億円を拠出して運営された。民間からの募金約6億円をベースにして元慰安婦に一人200万円の「償い金」と首相の「おわびの手紙」を届ける事業を開始した。


「最初は韓国の元慰安婦7人が受け取りを希望したのですが、慰安婦支援団体である韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が、基金は『日本政府の賠償責任を回避するためのまやかし』との批判を展開。元慰安婦に受け取り拒否をするよう説得した。韓国メディアも基金を非難しました。それでも日本側は、水面下で計61人に償い金を届けた。


 しかし、結局は日韓の溝はさらに深まることになり、慰安婦問題を複雑化しただけでアジア女性基金は解散しました」(元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏)


 韓国には、大きな声を上げた者が優遇されるという意味の「泣く子は餅を一つ余計にもらえる」という諺がある。泣く子に餅を与える日本に対して、泣き声はどんどん大きくなった。東京基督教大学の西岡力氏が解説する。


「2005年8月、当時の盧武鉉政権は慰安婦問題について、『日本政府・軍等の国家権力が関与した反人道的不法行為については、請求権協定により解決されたものと見ることはできず、日本政府の法的責任が残っている』という、驚くべき法的立場を表明します」


 ついに日韓請求権協定を無視して国家賠償を求めてきたのである。


◆「10億円はもらってない」


 2015年の日韓合意では国家賠償ではなく、財団への拠出金のかたちで日本政府が10億円を供出することになった。その代わり、合意は「最終かつ不可逆的」なものとなったのだ。


 それを今回、政権が代わってまたもや「新方針」というから、呆れるほかない。「心からの謝罪」を新たに求めてきた韓国に、菅義偉官房長官は「日韓合意は国際的に見ても極めて重い合意」とはねのけたが、今後新たな“餅”を要求してくることは明白である。前出・西岡氏はこう分析する。


「すでに実施されている元慰安婦らへの現金支給事業もあるのですが、それらは“韓国政府のお金でやったこと”と主張するようになるのではないか。さらに、将来、『日本の10億円は1円も使っていないから合意は破棄しても問題ない』と言い出すことも考えられます」


 そうなると、再び韓国が国家賠償まで求めて慰安婦問題は振り出しに戻る──そんな可能性さえあり得るのだ。慰安婦問題を蒸し返し続ける韓国側の事情を、前出・前川氏はこういう。


「政権にとって国内世論をまとめるには“反日”が一番いいからです。日本は韓国から誠意を見せろといわれれば、お金を出し続けてきた。だから韓国では反日が再生産され続けるのです」


 拓殖大学客員教授の藤岡信勝氏はこう話す。


「そもそも日韓合意の『不可逆的』という文言は、日本が謝罪を覆せないように韓国側が入れることを要求してきたのです。それを政権が代わったからといって、簡単に破っていいと考えている国なのだから、まともに相手をすべきではない」


 慰安婦問題における50年の裏切りの歴史を振り返れば、自明のことである。


※週刊ポスト2018年1月26日号

NEWSポストセブン

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