17年間日産に尽くしたゴーン氏 今の日本に何を思うのか

1月24日(金)16時0分 NEWSポストセブン

また日本で話を聞ける日は来るのか…

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 日産自動車元会長・カルロス・ゴーン氏の会見は、世界中に衝撃を与えた一方、日本では森雅子・法相が2度も会見を開く事態となった。「不法出国」と断じたうえで、ゴーン氏の検察批判に反論、その主張は米ウォールストリートジャーナルにまで掲載された。


 日本メディアの多くもそれに同調したが、元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏の意見は異なる。


「そもそもこれは安倍晋三首相が『日産社内で片づけるべきだった』と言っているような事件です。不法出国したのは確かですが、森大臣が適正だと言い張る日本の刑事司法は、『人質司法』などと国際社会からも問題視されています。検察は保釈すべきではなかったと言っていますが、ゴーン氏を裁判が終わるまで何年でも拘束しておくべきだったというのか、その点について国際社会からの批判に検察はどう答えるのか。


 また森大臣は『99%有罪は逮捕後ではなく起訴後の数字で、有罪の見込みがなければ起訴されない』と主張しましたが、特捜の事件に限っては逮捕=起訴であり、ゴーン氏の言うとおり逮捕されれば99%有罪になる。少なくともすでに検察に起訴されているゴーン氏が言う『有罪率99%』への批判に対して、森法相の説明は反論になっていません」


 ゴーン氏に逃げられた弁護団の高野隆・弁護士も、ブログで「彼がこの1年余りの間に見てきた日本の司法とそれを取り巻く環境を考えると、この密出国を『暴挙』『裏切り』『犯罪』と言って全否定することはできない」と吐露した。


 絶望から解き放たれたゴーン氏は、どんな反撃に出るつもりなのか。そのヒントは、12月20日(逃亡9日前)の本誌・週刊ポストとの面会時に語られていた。


「フランスでは、私についての本が数冊進んでいる。アメリカでは、私をモデルにした映画も計画されている、これはフィクションだ」


 会見後、海外メディアを通じて、フランス人ジャーナリストによる本の出版、ハリウッドでの映画化計画などが次々と明かされている。ゴーン氏は海外の目を通じて、日本での出来事を告発していこうとしているのだ。


 しかし、だからといって日本の世論を気にしていないかといえば、彼の本音は違う。


「ゴーン氏は他の世界的企業からのオファーを断わって17年もの間、日本企業に尽くし、子供たちも日本で育てたという思いがある。日産や司法には反撃しながら、日本人からの理解は得たいと考えているはずだ」(ゴーン氏の関係者)


 ゴーン氏と日本との関係は、まだ終わったわけではない。


 


●取材協力/宮下洋一(在欧州ジャーナリスト)


※週刊ポスト2020年1月31日号

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