中国景気低迷で労使紛争1700件超、経済成長+6.8%はウソか

2月23日(土)7時0分 NEWSポストセブン

いよいよ経済成長に陰りが出てきたか

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 中国では昨年1年間で少なくとも、1700件以上の労使紛争が起きており、労働者による激しいデモや集会が1日平均で5件以上も行われていることが明らかになった。これは2017年と比べて500件も急激な増加を記録しているが、中国当局の厳しい報道規制により、多くの抗議活動は報道されていないという。香港に本部を置く中国の労働問題専門の民間機関「中国労工通信」の統計をもとに、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じた。


 同通信によると、中国広東省深セン市にある電子製品メーカーの従業員数百人が1月中旬、工場側には未払い賃金があると主張し、「すぐに給料を支払え」などとシュプレヒコールを繰り返し抗議デモを行った。従業員らは「春節(旧正月=今年は2月5日)を前にして、食料などが買えず、田舎に帰ることもできない」とも訴えたという。


 また、中国当局は1月20日、深セン市で「公共秩序を乱した」などとして、労働組合の活動家5人を逮捕した。なお、深セン市だけでも昨年10月1日からこれまで、労働問題をめぐる労使紛争が少なくとも17件発生しているという。


 また、同通信によると中国当局は昨年8月以降、中国全土で抗議デモに参加したタクシー運転手や教師、建築労働者、学生など約150人以上を拘束したそうだ。


 これは個人消費の低迷や米中貿易戦争により、中国の景気悪化が一段と進んでおり、中国各地で、労働者への賃金未払いが多数出ていることも影響。労働者らは待遇改善を求めるデモを展開しているほか、なかには「給料を支払わなければ飛び降り自殺する」と訴える農民工(出稼ぎ農民)も出ているという。



 同通信のジェフリー・クロソール氏は、「大規模な抗議活動が起きないように、中国当局はさらに厳しい措置を講じるだろう」と指摘。そのうえで、中国当局は「社会不安の広がりが政権崩壊につながるとみて、抗議デモ参加者への締め付けを強化している」と述べて、中国側の対応が厳しくなっていることを明らかにした。


 中国では昨年の国民総生産(GDP)の成長率が前年比6.8%と28年ぶりの低水準となっており、景気が低迷している。そんな状況なだけに倒産する企業も多数でているほか、失業者も急増。労働者の生活が一段と厳しくなっており、各地で労働者による賃金未払いに抗議するデモが増えている。


 中国人民大学・国際通貨問題研究所の向松祚教授は昨年12月、同大学での講演で、「ある重要な政府系研究機関の統計結果」として、2018年の中国のGDP成長率は政府報告の6.8%ではなくて、「実際は1.67%だった」と指摘。さらに、「他の試算方法ではマイナス成長だった」とも述べており、中国経済が急激に悪化しているとの見通しを明らかにしている。

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