ドキュメント新型肺炎(上)、深センの日本人経営者が見た「終わらない旧正月」

2月27日(木)6時0分 ダイヤモンドオンライン

Photo:owngarden/gettyimages

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新型肺炎により経済活動が半ば停止した中国。現地の日系企業はどのようにしてこの苦境に立ち向かっているのか? 特集『断絶!電機サプライチェーン』(全8回)の#5は、中国深セン市の日本人起業家、藤岡淳一氏による肺炎との手に汗握る戦いの手記の前編だ(本稿はダイヤモンド編集部特任アナリストの高口康太が、取材と藤岡氏の書面記録を基に同氏の手記として再構成した)。


規制と「殴り合う」のも

危機時の経営者の仕事


 新型肺炎との戦いとは何か? 一般には病気から身を守ることを意味するだろう。だが、中国でビジネスをする経営者のタスクはもっと多い。自分と従業員の身の安全を守る。顧客の期待に応える。そして何より、理不尽に思える数々の“規制”と殴り合わなければならない。


 私が経営するジェネシスホールディングスは、日本向けITデバイスの製造を請け負うEMS(電子機器受託製造サービス)企業だ。傘下の中国法人である創世訊聯科技(深セン)有限公司は、「ハードウエアの聖地」とまで呼ばれるようになった広東省深セン市に立地している。深センのエレクトロニクスのエコシステムを徹底的に活用することで、低価格と短納期を両立させ、顧客から評価を得てきた。


 製造を手掛けた主な製品は、累計販売台数70万台を突破した翻訳機、ポケトーク。またタクシー配車サービス最大手のJapan Taxi向けのドライブレコーダーなどもわが社製。ほかにもスマートロックのような新しい技術を扱うスタートアップなど、幅広い顧客のパートナーを務めている。


 業容は近年急成長しており、2019年度は前年度比50%増を達成する見込み。19年は工場を移転・拡張したほか、広東省東莞市の協力工場とも提携し、製造の一部を再委託するなどして受注能力を増強した。それでもまだまだ発注に応じ切れない状況だ。旧正月休暇明けから従業員を増員し、さらに製造能力を強化する計画を立てていた。


 だが、そこに襲ってきたのが新型肺炎だった。






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