「睡眠を取らせるため朝の授業に欠席させます」、保護者宣言に賛否両論―中国メディア

2024年3月4日(月)6時0分 Record China

中国では、上海市在住の小学生の保護者が子に睡眠を取らせるために朝の授業には欠席させると宣言したことで、賛否両論が表明されることになった。

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中国では、上海市在住の小学生の保護者が子に睡眠を取らせるために朝の授業には欠席させると宣言したことで、賛否両論が巻き起こることになった。自分の子は宿題のために睡眠が5時間あまりしか取れていないと賛意を示す人もいれば、学校教育の規律は親の考えだけで変更できないと反対する人もいる。中国メディアの科技生活快報などが伝えた。



同保護者は、子が自然に目を覚ますまで寝させるとして、朝の授業に出席させないと教師に伝えた。保護者はSNSを通じて、「子の睡眠は朝の授業より大切」との考えを披露した。学校の教師は保護者の考えを認めず、その後も意思疎通を図り続けたが言い争いになったという。上海市金山区教育局は1日、保護者と学校のそれぞれに連絡して、調整を図っているという。



専門家の間では、小中学生の登校時間が一律に定められているのは教育政策の一部であり、公共の意思決定の範囲であるので個々の保護者は独断で変更できないとの指摘が出た。科技生活快報記事は、インターネット時代になり人々が「意見表明」をしやすくなったことに注目して、「声の大きさや態度の強さだけで是非を決めることはできない」と指摘した。



記事は、「子を朝の授業に欠席させる」との保護者の方針が社会の注目を集めたことは間違いなく、教育現場と家庭と社会との関係を見直すきっかけにもなったと論じた。さらに、保護者が子にもっと睡眠時間を取ってほしいと願うのは子への愛やいたわりによるものと考えられ、一方で学校のカリキュラム設定や教育方針は、生徒の総合的な育成や教育への配慮にも基づいているので、双方の矛盾は家庭と学校の教育理念や方法の違いを反映しているとした。



この問題を知った人からは、自分自身にも同様の問題があるとして「うちの子が宿題を終えるのは、毎日午前1時ごろになる。朝は6時10分に起きて起きて、7時15分までに校門に駆けつける。クラス生徒の多くが同様で、午後の授業ではウトウトしてしまうと、子どもは言っている。(『子を朝の授業に出席させない』と宣言した人は)勇敢にも立ち上がった。私も実は、子どもにもう1時間寝させたいと思っていた。毎日が睡眠不足だからだ。でも勇気がなかった」とのコメントも寄せられた。



その他にも「保護者には考えを表明する権利がある」「子どもたちは(授業中の)居眠りが多い。確かにもう少し寝かせるべきだ。授業時間を一律に遅らせるべきだ。午後(の下校時間)は遅くなってもよい」との書き込みもあった。



一方で、小学生の子を自然に目覚めるまで寝かしておくのは「甘やかし」だとの主張もある。保護者としては幼い子を「雨風」から防がねばならないが、一方では「適度の雨風」にはさらす必要があると論じ、「徹底的に保護された子が親から離れて社会に出た際に、どのような状況になるか想像できないだろうか」との意見もあった。(翻訳・編集/如月隼人)


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