大都市を離れ地元で就職がトレンド、人材奪い合いが激化—中国

3月15日(木)1時50分 Record China

3月になり、就職のゴールデンシーズンがやって来た。キャリアアップして給与も増え、新たなステージに進みたいという人もいれば、大都市から逃げ出したいという人もいる。写真は武漢。

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3月になり、就職のゴールデンシーズンがやって来た。キャリアアップして給与も増え、新たなステージに進みたいという人もいれば、大都市から逃げ出したいという人もいる。二線都市で人材争奪戦が激化するにつれ、これまで人材が多く集まっていた北京、上海、広州、深センの一線都市は、人材の純流出という課題に直面している。北京日報が伝えた。

▽無条件で定住、住宅購入には優待

メディア産業で働く費さんは、北京で2年働いた後、現在は実家のある江蘇省で新しい仕事を探している。北京、上海、広州から抜け出したいのだという。

費さんは、「学校を卒業したばかりの頃はとにかく外に出てみたくて北京に来た。それから2年たってわかったのは、北京はリズムが速すぎるということ、やっぱり実家の都市環境が好きだということ。これまで2年間、北京市朝陽区北苑路にある1LDKを借りて住んでいたが、家賃は月4000元(約6万7000円)で、毎月の収入に占める割合は40%になる。働き始めた最初の年はもっと高くて、ほぼ半分だった」と振り返った。

大都市の生活コストや移動コストの高さが、費さんに実家に戻ることを考えさせる導入剤になった。二線・三線都市は急速に発展して、仕事のチャンスが増えていることが、フロー人材を呼び込む重要な要因となっている。

湖北省武漢市は昨年初め、「5年以内に大学生100万人を定住させるプラン」を打ち出し、人材争奪戦のゴングを鳴らした。同市は無条件で定住を認めたことを土台に、長江新城の内側に総面積1000ムー(約67ヘクタール)の「長江青年城」を建設し、大学を卒業した人に市場価格より20%安く安居住宅(政府の住宅政策に基づいて建設された住宅)を購入できるようにしたほか、市場価格より20%安く住宅を借りられるようにもした。最新のデータをみると、武漢市では昨年、大卒者30万1000人が市内にとどまって起業・就職し、人数は前年の21倍以上になったという。

武漢の模範的効果が鄭州、西安、太原などにも波及し、相次いで模倣するところが出てきた。どの都市もより多くの若い労働者クラスターを引き寄せて、来る人口高齢化に備えたい考えだ。

就職支援サイト・BOSS直聘がこのほど発表した「2018年オンシーズン人材状況報告」のデータをみると、二線都市の中で人材を引きつける力が最も強いのは杭州、武漢、成都、鄭州、西安で、18年に北京、上海、広州、深センを避けて仕事を探していた人のうち、35.5%がこの5都市を選んだという。

▽求職者の23%が一線都市を脱出しても戻ってくる

二線都市が勢いよく発展すると同時に、一線都市は人材の純流出率が上昇している。同報告によれば、過去約3年間には、初めて働く都市に北京、上海、広州、深センを選んだ18〜35歳の若い労働者の割合が急速に低下し、15年の65.8%から17年は46.5%に低下した。全体をみると、一線都市4カ所は18年初めの人材純流出率が0.6%に達し、17年同期に比べて0.05ポイント上昇した。

北京や上海や広州を出て行こうか。毎日ひどい煙霧に悩まされ、夜遅くまで残業し、大勢の人がへとへとになりながら、つきない悩みを抱えて大都市でもがいている。

最近結婚した証券アナリストの宋原野さんは、「大理、昆明、西双版納で物件を見てきた。買おうと思って出かけたものの、よく考えるとこうした都市は住むにはよいが理想的な仕事を探すのが難しい。自分の周りには子どもの進学があるので北京を離れたくないという家庭がたくさんある」と話す。

二線都市の人材は急増しているが、ハイレベル人材にとっては、やはり北京などの一線都市の吸引力が今なお他都市の追随を許さない。18年春の就職シーズンに、インターネット、金融、専門的サービスなどのハイテク産業に従事する修士以上の高学歴人材は、一線都市でがんばることを選ぶ人が80%を超えた。

興味深いのは、過去1〜2年間に一線都市を逃げ出した人材の一部が戻り始めていることだ。北京のネット企業をやめて実家のある武漢市で半年間働いた尹さんは、今年の春節(旧正月、今年は2月16日)に再び北京や上海などで働くことを選択した。「北京には仕事で向上するチャンスがより多くある。北京に戻ってきた別の理由といて実家に『なじめなかった』こともある。人が集まればひたすら飲んで食べて、酔いつぶれるまで飲み続けて、だらだらしゃべっていても共通の話題は何もない。北京に数年間暮らすと、二線都市の複雑にからみあった人間関係にはもう適応できなくなる」という。

BOSS直聘研究院の常●(さんずいに蒙)院長は、「データを追跡すると、北京、上海、広州、深センを離れた人のうち23%が15カ月以内に再び一線都市に戻っている」と述べた。

▽実家に戻って就職・起業は幸福感がより高い

崔敏さんは北京の有名大学に入学してから6年が経った5年前、北京で働くチャンスを捨てて、恋人と一緒に実家のある厦門(アモイ)で働き始めた。

崔さんは、「当時、親しい友人や同級生に厦門に戻ると言うと、不思議そうな顔をする人が多かった。有名大学を卒業したら北京で活躍するのが当たり前、実家に戻るのは競争に負けたのと同じと考えられていたからだ。でもここ2年ほどの間に、一線都市から厦門に戻って働く友人がどんどん増えている。今は自転車で15分もすれば家から職場に到着し、いつでも実家に帰ってご飯を食べさせてもらうことができる。北京に残った同級生より、自分の方が幸福感が大きい」という。より重要なことは、厦門経済がここ数年、勢いよく発展していることで、ゲーム会社に転職した崔さんの夫は、収入が大学卒業直後に比べて何倍にも増えたという。崔さんのような高学歴人材だけでなく、大勢の基層労働者が故郷での就職や起業を模索し始めている。

二線・三線都市は発展水準が向上して、人材を引きつける力もますます増大しており、「実家の近くで就職」が新たなトレンドだ。特に一人っ子家庭にとって、近場で仕事を探せばキャリアアップと両親の世話という2つのニーズをよりよく満たすことが可能になる。大都市病に苦しむ一線都市は、人材を引き寄せるサイフォン効果が弱まり、今後、人口規模の拡大ペースが減速することが予想される。

中国人民大学の副学長で経済学者の劉元春氏は、「大卒者が『新一線都市』に進出し、各都市間の発展がよりバランスの取れたものになり、相互に補い合うものになっている。一線都市が全国の優れた職場と発展チャンスを独占してきた局面に、今、大きな変化が生じている」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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