トランプ「お前の妻の秘密をばらす」とクルーズを脅迫

3月24日(木)16時0分 ニューズウィーク日本版

「みなさんもお気づきでしょうが、ドナルド・トランプの発言にはほとんど根拠がありません」

 アリゾナ州とユタ州での予備選・党員集会から一夜明けた23日、テッド・クルーズ上院議員の妻ハイディは遊説先のウィスコンシン州で報道陣にこう語った。

 トランプがツイッター上で「お前の妻の秘密をばらす」とクルーズを脅したことについて、感想を聞かれたときのことだ。

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 ハイディはトランプの脅迫など気にしていないと強調。夫の勝利を確実にするため全力で支えることが自分の務めであり、今はそれに集中したいと述べた。

 共和党予備選のトップを走るトランプとそれを猛追するクルーズ。超保守派2人のデッドヒートは、互いの妻を巻き込んだ醜い中傷合戦になりつつある。

 そもそもの発端は、反トランプのスーパーPAC(政治資金を管理する団体)が、トランプの妻メラニアのヌード写真を選挙広告に使ったこと。2000年にGQ誌に掲載されたグラビア写真(全裸のメラニアが毛皮の敷物の上で艶かしいポーズをとっている)を有権者に見せ、「この人がファーストレディーになってもいいですか、それともクルーズを応援しますか」と迫るものだ。

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 クルーズ陣営が制作したわけではないが、トランプはクルーズが汚い手を使ったと息巻いている。

 トランプは23日朝、再びこの写真についてツィート。ハイディの後ろ暗い過去を知っていると仄めかした。秘密が何かははっきりしないが、05年にテキサス州オースティンで起きた自殺未遂を疑わせる一件ではないかと憶測が飛び交っている。この一件は公開された警察の報告書で明らかになった。

頭を抱えて道路脇に......

 報告書には、高速道路近くの道路脇に頭を抱えて座り込んでいる女性がいるとの通報があり、警察官が駆け付けて事情を聞くと、女性はハイディ・クルーズと名乗ったと記載されている。ただ、この報告書は公開にあたって黒く塗りつぶされた箇所がいくつもあり、事実関係ははっきりしない。ハイディ自身もこの一件に関しては口を濁しており、以前ニューヨーク・タイムズの記者に聞かれたときには「誰だって精神的にキツい時期があるでしょ」と突っぱねている。

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 この一件が起きる1年程前に、ハイディはジョージ・W・ブッシュ前政権のスタッフを辞し、テキサス州の夫の元に戻った。ブッシュ政権では彼女は通商代表部、財務省、NSCのスタッフを歴任。現在はゴールドマン・サックスのヒューストン支店の専務理事を務めるキャリアの持ち主だが、特別休暇制度を利用して夫の選挙戦を支えている。

 22日に行われた予備選・党員集会ではトランプはアリゾナ州を制したが、ユタ州ではモルモン教徒の支持をつかめず、クルーズに完敗した。

 クルーズは23日、NBCの情報ニュース番組トゥデーに出演し、余裕を見せてこう語った。「これはドナルド・トランプのお決まりのパターンだ。物事がうまく行かず、怖くなると暴言を吐く。昨夜ユタ州でこてんぱんにやられて、さぞかし悔しかったんだろう」

 クルーズに言わせれば、トランプはただの「いじめっ子」だ。「私の妻を脅迫したことが、彼の人間性を雄弁に物語っている」

ミシェル・ゴーマン

ニューズウィーク日本版

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