無人経済、ついにビジネスチャンス到来か?—中国

3月27日(金)5時40分 Record China

新型コロナウイルスによる肺炎が発生して以来、一連の新産業が困難を克服する中で新たなチャンスを迎えた。中でも「無人経済」の応用シーンが深い印象を与えた。写真は中国の無人スーパー。

写真を拡大

新型コロナウイルスによる肺炎が発生して以来、一連の新産業が困難を克服する中で新たなチャンスを迎えた。中でも「無人経済」の応用シーンが深い印象を与えた。人手が不要で非接触のサービスであることから、感染症の予防や感染症との闘いにおけるニーズにぴたりと合致している。

無人経済は数年前にも大いに話題になったが、最終的には巨額の損失を出して、姿を消してしまった。今回の感染状況は、この分野の急速発展を後押しするだろうか。雇用にどんな影響を与えるだろうか。

■1杯のコーヒーのために100人ほどが行列

店舗面積2.5平方メートルの無人カフェがある。ガラス越しに、店内で働くピカピカのロボットアームがよく見える。周りにはさまざまな小型機械やトッピング材料が所狭しと並ぶ。

ここは上海●(気がまえに亥)豚ロボット科技有限公司が開発したロボットカフェだ。消費者は携帯電話で支払いと注文ができ、メニューはアメリカンコーヒー、カフェオレのほか、複雑な工程をたどるローズライチラテ、カプチーノ、さらに抹茶ラテ、ホットチョコレートなどもあり、全部で40種類以上に上る。

スターバックスやラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)などのブランドが、中国でコーヒーの消費者を大量に生み出し、中国市場のコーヒー販売量は毎年1兆元(約15兆円)を超え、さらに急速に成長しており、未来のポテンシャルははかりしれない。中でも挽き立てのコーヒーがますます人気を集めている。しかし挽き立てのコーヒーは30元(約450円)前後で、普通の人にとって毎日飲むには高額だ。現在、ロボットがいれるコーヒーはブランドのコーヒーと同レベルながら、価格はアメリカンが9.9元(約150円)、ラテが13.9元(約210円)と安く、消費者には魅力的だ。

■問題点を解決した「無人」こそ長続きする

無人商品棚や無人コンビニは2017年に登場し、伝統的な小売企業は危機を感じた。阿里巴巴(アリババ)、京東、蘇寧などが相次いで参入し、無人経済は一時は参入者が相次いで大きなビジネスチャンスになっていた。公開されたデータによると、17年には全国に無人小売企業が138社あり、このうち57社が融資を獲得し、融資総額は48億元(約720億円)を超えた。しかし好調は長続きせず、トップ企業数社は軒並み巨額の損失に見舞われた。

感染症という特殊な時期に、無人経済にとってより有利な応用環境が整ったが、ベテランベンチャー企業投資家の秦志勇(チン・ジーヨン)さんは、「長期的にみて、無人経済の発展のカギはコスト的に引き合うかどうかにある」との見方を示した。

秦さんによると、生産サイドからみれば、無人のコストが本当に有人より安いかどうかだ。特に無人ロボットのバックヤードには運営メンテナンス要員、プログラマー、材料を補充する要員などが必要で、これまでのようなフロントヤードのサービス要員の人件費よりコストが安いかどうか。消費サイドからみれば、消費者に無人ロボットを選ぶより大きな動機があるかどうかだ。無人店舗での体験が有人店舗を上回らず、商品価格もそれほど安くなければ、消費者に無人を選択する理由はどこにあるか。

同社の孫麗(スン・リー)副社長は、「当社も他のジャンルを検討しており、たとえば無人ミルクティーはどうかと考えた。しかしミルクティーは平均販売価格が約12元(約180円)とすでに安く、無人なら5元(約75円)まで下げないと商機はない。5元ではコスト回収が難しいため、今はミルクティー店の無人化は実行不可能だ。これは技術の問題ではない」と述べた。

野菜炒めを作る調理ロボットにも問題がある。簡単なサラダやステーキならいいが、中国の美食は幅広く奥深く、機械が正確に材料を計測しても、複雑な味を十分に再現することはできない。消費者にとってみれば、豚ヒレ肉の甘酢炒めや鶏のカシューナッツ炒めのような料理なら無人でも有人でも大して変わらないが、グルメにはワクワクした社交という役割もあり、そんな楽しい場面にあえて無機質なロボットを選ぶ理由もない。

無人小売が取り扱うのはコーヒー、茶飲料、ジュース、中国風クレープ、甘栗などの商品で、将来はさまざまな商品に対応した無人小売ロボットが誕生する見込みだ。しかし秦氏は、「そうしたロボットの応用が成熟レベルまでいくかどうかは、コストと利益の間にあるビジネスモデルに、有人店舗より優位性が備わるかどうかによって決まることが多い」と強調する。

しかし自動運転車について言えば、より大きな難点が技術であることは確かだ。感染対策期間中、自動運転車の応用は小規模なシーンに限られていた。隔離エリアの通路を自動運転の小型車が走り、家のドアの前で自動的に停止し、中の人を呼んで荷物を引き取ってもらう。実はこうした固定ルートの小型自動運転車は、数年前から一部の近代化工場や物流倉庫で幅広く応用されており、今回は特殊な環境に適応して応用シーンが「バージョンアップ」しただけだ。

同済大学教授で世界交通運輸研究学会の常務理事を務める潘海嘯(パン・ハイシャオ)氏は、「特定の環境の中での自動運転はすでに応用されており、たとえば特殊工程をこなす車両があり、危険な環境の中での自動運転が可能だ。港湾のふ頭では、自動運転による貨物輸送が可能で、上海市の洋山深水港ですでに試行されているが、まだ普及の段階ではない」と述べた。

言及すべきなのは、少し想像をふくらませてみると、自動運転車も本当に応用が可能になるということだ。たとえば長距離トラックの運転手という仕事は、退屈で時間が長く疲労度も高く、欧米ではよく運転手が集団でストライキを起こし、要求が通らなければお金を払うと言われても仕事をしない。企業の物流コストは高止まりし、長期的な矛盾点が目立つようになった。最近、欧州自動車工業界(ACEA)、国際運輸労連(ITF)、国際道路輸送連盟(IRU)が共同で報告書を作成し、長距離輸送を自動運転トラックにモデル転換するよう呼びかけた。

同報告書が提示するモデルは次のようなものだ。主要な高速道路に、専用の自動運転用車線を設け、自動運転トラックが走行するようにする。こうすれば路上の障害物という問題がなくなり、現在の技術で安全が保証される。高速道路の両端に輸送中継センターを設置し、トラックが高速道路を下りた後は、運転手が乗り込んで短距離の複雑な行程を走って配送を完了させる。

潘氏は、「現在、同報告書の呼びかけは各方面に広く歓迎されており、欧州では推進への原動力が大きい。こうしてみると、現在の技術を活用し、『特殊なシーン』にぴったり合致するよう調整して、問題点を解決した無人経済であれば、大いに可能性があるといえる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

Record China

「中国」をもっと詳しく

「中国」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ