韓国政権に好意的、保守派には非難の矛先…北朝鮮メディア

2018年4月4日(水)0時0分 デイリーNKジャパン


北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は3日、韓国の済州島で起きた「4・3事件」から70年となったことを受けて、「保守積弊(保守派によって積み重ねられた弊害)の清算は正当」であるとする論説を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。


「4・3事件」では、南北分断の固定化につながるとして南側だけでの総選挙実施に反対した済州島の島民らを、軍や警察、保守系団体が虐殺した。一部島民の武装蜂起に対する鎮圧がきっかけとなったが、蜂起とは無関係な島民も多数が処刑され、当時の島民人口の約10%に達する2万5000〜3万人が犠牲となったとも言われる。


韓国の歴代保守政権は事件をタブー視して責任追及を避けてきたが、「積弊清算」を最優先課題として掲げる文在寅政権は、真相究明に取り組む姿勢を示している。


論説は「保守積弊をきれいに清算し、新しい政治、新しい社会に対する夢を実現しようとする南朝鮮の各階層の人民の闘争は正当である」として、現政権主導で動く韓国の政情を好意的に評価。


その一方で「南朝鮮の保守一味は4・3人民蜂起を『左派勢力の乱暴』と冒とくし、自分らの罪悪に満ちた歴史を合理化しながら復活の道を開こうと狂奔している」として、南北対話に慎重な韓国の保守派に非難の矛先を向けた。


朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。



「労働新聞」 南朝鮮人民の自主、民主、統一の志向はとどめられない


【平壌4月3日発朝鮮中央通信】3日付の「労働新聞」は済州島4・3人民蜂起があった時から70年になることで署名入りの論説を掲載した。


同紙は、4・3人民蜂起は南朝鮮に対する米帝の植民地隷属化政策と民族分裂策動に反対し、社会の民主化と祖国の統一を成し遂げるための正義の反米・反ファッショ人民抗争であったと明らかにした。


また、南朝鮮の人民は米国とそれと結託された親米保守勢力によって自分らの志向と要求が籠絡(ろうらく)され、民主的権利と生が踏みにじられることを許そうとせず、侵略者と売国奴に断固たる懲罰を加えるために立ち上がっているとし、次のように指摘した。


保守積弊をきれいに清算し、新しい政治、新しい社会に対する夢を実現しようとする南朝鮮の各階層の人民の闘争は正当である。


南朝鮮で済州島4・3人民蜂起があった時から70年という長い歳月が流れた。蜂起者らがあれほど切々と渇望していた南朝鮮社会の自主化と民主化、祖国の統一は必ず実現されるべきである。


南朝鮮の保守一味は4・3人民蜂起を「左派勢力の乱暴」と冒とくし、自分らの罪悪に満ちた歴史を合理化しながら復活の道を開こうと狂奔している。


親米事大とファッショ独裁を美化し、同族対決から活路を見い出して民族に反逆する悪の群れに峻厳(しゅんげん)な懲罰の鉄槌を下すべきである。−−−

デイリーNKジャパン

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