中国自動車産業にはまだ「パクリ」が必要なのか?―中国メディア

2024年4月11日(木)8時0分 Record China

中国メディアの第一財経はこのほど、「中国自動車業界にはまだ“パクリ”が必要なのか」との記事を掲載した。

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中国メディアの第一財経はこのほど、「中国自動車業界にはまだ“パクリ”が必要なのか」との記事を掲載した。



記事は、中国のハイテク大手、小米(シャオミ)の電気自動車(EV)第1弾モデルとなるSU7について、多くの注文予約が集まるなど盛況ぶりを見せたと説明。一方で、関係者からはSU7の外観がポルシェのタイカンに酷似しているとの指摘が相次ぎ、ネット上では「(ポルシェとシャオミをかけて)ポルミだ」「SU7は若者が最初に乗るポルシェ」といったネタになっていると伝えた。



その上で、「20〜25年前、中国の自動車メーカーがスタートしたばかりの頃に強いブランドや伝統的な車種を参考にするやり方であれば理解できる。新規参入者にとって既存の成熟した製品を参考にするのが最も確実な方法であり、検証コストを削減し、成功率を高めることができるからだ。歴史的にはトヨタなどの有名メーカーも模倣から自動車づくりをスタートさせている」とした。



一方で、「今日では中国の自動車メーカーはオリジナルのデザインと技術的なブレークスルーによって中国本土の50%以上のシェアを占め、急速にグローバル展開する段階に入っている」とし、「このような時期にまだ“パクリ車”を出しているように見えるのが良いことなのか、大きな疑問符が付く」と指摘。「特にシャオミは中国最大のテクノロジー会社の一つだ。(中国の実業家の)賈躍亭(ジア・ユエティン)氏の(シャオミによるパクリとの)批判が事実であれば、中国ブランドのイメージに打撃となる恐れもある」と論じた。



記事は、過去20年の中国自動車業界にとってパクリは避けて通れない話題だったと指摘。「衆泰汽車や陸風汽車は相次いで外観の“パクリ”により注目を集め、裁判の末に敗訴し生産停止と賠償金の支払いが命じられた。海外ではメディアが中国車をあざけるきっかけとなり、『安かろう悪かろう』を攻撃する論拠の一つとなった」としながらも、「近年は自動車のスマート化、電動化の流れに乗り、中国自動車メーカーは各分野で進歩を遂げ、それまでのイメージを刷新しつつある。輸出台数では日本を超え、上海汽車や奇瑞汽車などはいずれも海外で100万台を売り上げている」と説明した。



そして、「パクリは、中国の自動車産業に泥を塗るものであることは間違いない」と批判し、ある業界関係者の「シャオミによるポルシェのパクリは中国車の後退を意味しており、シャオミの成功が他の中国自動車メーカーをパクリの道に引き戻すことになりはしないか。そうした風潮が起きれば、中国自動車産業が海外進出を狙うこの時期に、中国企業が近年苦労して引き上げてきた産業イメージを落とすことになる」との言葉を紹介した。



また、「自動車業界では新参者のシャオミが先輩の“まね”をするのは不思議ではないという声もあるかもしれないが、“まね”をすることがすべてのスタートアップメーカーの選択というわけではないことを指摘しておきたい」とし、「過去10年間を振り返ると、蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車、理想汽車、零跑汽車などの新勢力は、外観の造形でオリジナリティーや特徴を出している」と述べた。



さらに、SU7についての論争はデザインだけにとどまらないとし、シャオミの雷軍(レイ・ジュン)CEOがチタン合金やダイカスト技術について「自社開発した」と発言したものの、実際はサプライヤーとの共同研究開発の結果であり、「広義の理解での自社開発とは異なる」と指摘。サプライチェーンの「垂直統合」モデルを構築しているBYDや、威睿電動汽車技術などの子会社を有する吉利汽車のそれとは明らかに別物としたほか、シャオミが用いる「国内唯一」などの宣伝文句についても実態に即していない部分があり、「発表会では数分ごとに広告法に抵触する言葉が飛び出す」との声が関係者から上がっていると伝えた。



記事は、シャオミの独特な立ち位置から、「技術や生産などさまざまな角度で自動車業界に全く新しい理念と方法を注ぎ込み、中国自動車業界の進歩を牽引すること」に期待を寄せた上で、「より多くの真の『国内唯一』『世界トップ』を外部に示してほしい」と注文を付けた。(翻訳・編集/北田)

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