トランプ大統領の淫らすぎる下半身が次々白日の下に

4月17日(火)6時12分 JBpress

A Higher Loyalty: Truth, Lies, and Leadership by James Comey Macmillan, 2018

写真を拡大

米上院情報特別委員会の公聴会で宣誓するジェームズ・コミー前米FBI長官(2017年6月8日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Brendan Smialowski〔AFPBB News〕


ブッシュにもオバマにも信頼されていた「正義の味方」

 ドナルド・トランプ大統領に関する暴露本「炎と怒り」*(すでに200万部完売)のショックがまだ冷めやらぬ中、またまた衝撃的な本が出ました。初版は85万部、ベストセラー間違いなしです。

"Fire and Fury: Inside the Trump White House," Michael Wolff

 著者は、1年前まで3年8か月「泣く子も黙るFBI(米連邦捜査局)」の長官を務め、ロシア疑惑捜査の陣頭指揮を執っていたジェームズ・コミー氏(57)。トランプ大統領に「忠誠」を誓えと言われ、拒否したために解任されました。

 これまでにも何度か議会証言に立ち、ロシア疑惑をめぐってトランプ大統領が捜査を早期終結するよう執拗に迫っていた経緯の一部を明かしたことはあります。

 ただ捜査中でもあり、国家機密もからむ事案ですから証言内容には制約がありました。その点では「ロシア疑惑」って何なのかを知りたい米国民にとっては苛立たしさがありました。


なぜトランプ氏は「ロシア疑惑」を恐れているのか

 新著のさわりはすでに主要メディアにリークされています。

 「トランプはマフィアのボスだった」とか、「トランプは道徳とか真実よりも(自分の作り上げた)組織を重んじる」といったコミ—氏の「トランプ観」が描かれています。

 トランプ氏は不動産業で巨万の富を得たとはいえ、あくまでも「トランプ商会」のワンマン経営者。側近の話には一切耳を傾けぬ「マフィアのボス」的体質は大統領になっても変わっていません。そのことはいまや、誰もが分かっている話です。

 米国の一般市民が知りたいのは、トランプ大統領がなぜそれほど「ロシア疑惑」捜査を恐れているのかです。

 そのことについてこの間までFBI長官だったコミ—氏が明かしているところが本書の最も重要な点ではないでしょうか、

 「ロシア疑惑」捜査は、コミ—氏の後を受け継いだマイケル・モラー特別検察官によって現在も続けられています。いつまでに終わるという期限はありません。


「極秘文書」に書かれていた「ロシア人売春婦」

 コミ—氏が大統領に就任したトランプ氏にFBIの捜査活動について報告したのは2017年1月20日でした。

 その席上、FBIが入手していた元英情報機関工作員だったクリストファー・スティラー氏*が書いた「極秘文書」の中身を報告しました。スティラー氏がロシア情報機関の交信を傍受して得ていたものです。

*同氏は元英情報機関(MI6)の対ロシア担当の工作員。退職後の2016年6月から12月の間に作成した「機密文書」にはトランプ陣営とロシア関係者との接触などが書かれている。

 コミ—氏は、「極秘文書」に書かれているトランプ氏についての言動についてこう説明しました。

 「トランプ氏は、2013年11月上旬、ミス・ユニバース大会に共同主催者として参加するためにモスクワ入りし、同月9日夜は超高級ホテル、リッツ・カールトンに投宿」

 「その夜、トランプ氏の部屋にはロシア人の売春婦が訪れた。トランプ氏は彼女がベッドで排尿するのを楽しんで観ていた。ロシア情報機関はその現場のすべてを盗み撮りし、そのフィルムを保管している」

 そのほか、同文書にはトランプ氏がモスクワ滞在中、少なくともロシア人売春婦4人と関係を持ったことも記されています。その話を聞くや、トランプ氏は動揺し、全面否定したといいます。

 「トランプ氏は翌日、コミ—氏に電話してきて、『どうやったら暗雲を払いのけることができるか。妻のメラニアがこんなことを知ったら苦しむに違いない』と言ってきた」


側近フリン氏に対する「お目こぼし」を懇願

 それから1か月後の2月14日、トランプ大統領がコミ—氏を執務室に呼びました。ホワイトハウス幹部や司法省幹部らも一緒でしたが、大統領はジェフ・セッションズ司法長官以外、みな席を外すように命じました。

 3人きりとなった席上、トランプ大統領が切り出したのは、政権発足後25日で辞任したマイケル・フリン前国家安全保障担当補佐官(FBIに虚偽の供述をした罪で起訴、罪状を認めているされている)のことでした。

 「(フリンに対する捜査を)何とかお目こぼししてくれないか」

 「君は、俺に対する忠誠心を誓えるかね」

 つまり<一連の「ロシア疑惑」捜査を中止してくれれば、コミ—氏のFBI長官留任を認めてもいいぞ>という謎かけでした。

 これを「命令」と受け止めるか、「忖度」とみるか。コミ—氏は前者と受け止めました。そしてその「命令」に従いませんでした。その結果、5月9日に解任されました。


急浮上するポルノ女優との不倫口止め疑惑

 本書によれば、トランプ大統領の「ロシア疑惑」の原点は、ロシア人売春婦とのモスクワでの夜でした。その弱みをロシア政府は握っている。だからトランプ氏がロシアに弱腰なのか。

 「ロシア疑惑」が女性がらみのスキャンダルに端を発しているとすれば、大統領になって1年、トランプ氏が頭を抱えているスキャンダルもまた女性がらみのものです。

 トランプ氏は2006年、メラニア夫人が出産した直後、ストーミー・ダニエルというポルノ女優と性的関係を持ちました。

 ダニエルさんにそれを暴露されそうになったトランプ氏は、口止め料13万ドルを顧問弁護士のマイケル・コーエン氏を通じて支払ったというのです。

 大統領選投票日の1か月前のことでした。ところがダニエルさんは今年に入ってその事実を明かしてしまったのです。

 仲介役になっていたトランプ氏の顧問弁護士が口止め料を自分で払ったとすれば連邦選挙法違反の疑い。

 トランプ氏がこの弁護士に「立て替え」させていたとすれば、大統領としての政治的、道義的責任が出てきます。

 しかもこの顧問弁護士は以前からロシア政府関係者と頻繁に接触していた事実も明らかにされています。

 「この不倫口止めスキャンダルは、トランプにとってはロシア疑惑以上の爆弾になりそうだ」(政治コラムニスト)といった指摘も出始めています。


大統領にし、いまは脚を引っ張る男コミ—

 かって「トランプを大統領にした男はコミ—」と言われました。

 大統領選投票日が迫る2016年10月28日にヒラリー・クリントン民主党候補が国務長官時代に私用メールアドレスを公務に使っていたとの疑惑を指摘(11月6日には訴追に至らなかったと議会に報告)、それがトランプ氏の当選に有利に働いたという疑惑が広がったことがあるからです。

 事実、クリントン氏は選挙後上梓した本の中で「私はコミ—のジャックナイフで刺された」と記しています。

 本書では、コミ—氏は「クリントン氏の当選が確実視される中で彼女に少しでも疑惑があるとすればそれを徹底的に調べ上げるべきだと考えたからだった」と書いています。

 そのコミ—氏は大統領選挙ではクリントン候補に投票したそうです。

 トランプ氏が当選した直後、著名な法律家のレイリー・ロバーツ氏はこんな予測をしていたのを思い出しました。

 「法律の何たるかを知らない、独裁的なトランプ氏はとにもかくにも大統領になった。一部にはコミ—FBI長官がクリントン疑惑を持ち出したからトランプ氏は当選したようなものだという者もいる」

 「だが、トランプ大統領が頑固で曲がったことが大嫌いなコミ—長官と、将来衝突することはまず避けられなかっただろう。トランプ氏を大統領にしたのはコミ—長官だが、トランプ氏を大統領の座から引きずり下ろすのもこの男かもしれない」

 コミ—氏は新著を引っ提げて各種メディアとのインタビューに応じています。全米各地での講演の予定もびっしり詰まっているようです。

 15日に放映されたMSNBC番組でコミ—氏にインタビューしたクリス・マシューズ記者はこう述べています。

 「コミ—氏はフーバーFBI長官以来となる政治色の強い長官だ。ひょっとしたらアメリカ歴史の中ではトランプ大統領などよりも重要な人物になるかもしれない」

 トランプ大統領は、どうやらおっかない狼を野に放ってしまったようです。

筆者:高濱 賛

JBpress

「トランプ大統領」をもっと詳しく

「トランプ大統領」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ