中国で就航した豪華クルーズ船が大混乱=乗客から不満続出、スタッフと言い争い倒れる人も―中国メディア

2024年4月19日(金)16時0分 Record China

中国でコロナ後に就航したクルーズ船をめぐり、乗客から不満の声が噴出している。

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中国でコロナ後に就航したクルーズ船をめぐり、乗客から不満の声が噴出している。中国メディアの紅星新聞が18日付で報じた。



上海市文化観光局は3月16日、世界大手のMSCクルーズの豪華船「MSCベリッシマ」が中国大陸部での就航を正式に開始したと発表した。「MSCベリッシマ」のこれまでの航路はいずれも日本で、初航行は上海と沖縄を往復する4泊5日だった。そのほか、福岡、鹿児島、佐世保(長崎)など九州が寄港地になっている。



しかし、中国のSNS・小紅書(RED)の同社の公式アカウントには、利用客から「食事はまるで金泥棒」「乗降時の混乱がひどい」といった怒りのコメントが殺到している。過去に「ロイヤル・カリビアン」のクルーズを何度か利用していた乗客の女性・小夏さんは、末っ子に初めてのクルーズ船を体験させたが、「食事するだけでも長い列に並び、乗降時には何度も押し合いへし合いする状況になり、非常に驚いた」という。



大手として知られるMSCクルーズとあって、中国でクルーズ旅に慣れている乗客たちの事前の期待値は高かった。3人の親友と共に乗船したという別の女性・小米さんは同社の宣伝文句にあった「クリスタルのらせん階段」や「青い海と空」を背景に美しい写真を撮影しようとドレスやカメラを用意していたが、「撮影どころか、らせん階段を通るたびに押し出されないように気を付けないといけなかった。人が多すぎる」と漏らした。



小夏さんは「MSCベリッシマの乗客定員は5686人とされているけど、実際にこれほど多くの人にサービスを提供できるほどの運営能力はまったく無い」と断じ、小米さんは「写真を撮れないのは些細なことだが、どこに行っても押し合いへし合いするほど人が並んでいるのは、通常の生活にも影響を及ぼす」と語った。



通訳をめぐるトラブルもあったようだ。クルーズ船のスタッフは基本的に英語で話すため専門の通訳が配置されていたものの、通訳に何か頼んでも「自分は通訳専門なのでサービススタッフを探さないといけない」とスムーズに案内されない事態があちこちで起きたという。ある高齢者は下船時の清算をめぐってスタッフに「清算を済ませてから降りてください」と言われたものの「清算は済んでいる」と反論。言い争いの末、血圧が上昇したのかその場で倒れてしまった。高齢者は同行者と合算したつもりだったが、行き違いから実際には1人分しか支払われていなかったという。



また、食事についても多くの乗客が苦言を呈した。「中高年の乗客たちがたくさんの料理を皿に盛り、食べきらずに無駄にしていた」という情報について、ある乗客は「出されたそばから冷めている料理もあった。麺もそうだった。喉を通らなかった。いろいろな料理を取ることで少しはお腹がいっぱいになると思った」と語った。別の乗客は「中高年の多くは上海出身で素養は高く、身なりも整っている。だが、悪い体験をすれば人の悪い面が引き出されてしまう」とし、船側の管理不足が原因と主張した。



食事のたびにレストランの外には長い行列ができたという。ある乗客は「長時間待たされた。いざ中に入ってみると空席がたくさんあった。中で待たせてもらえれば疲れないし、気持ち的にも違ったと思う」と指摘。ハイクラスのチケットで乗船した客も「優先待遇と聞いたが、それはスタッフが私を列の先頭に割り込ませることだった。並んでいるほかの客の不満が感じられて、恥ずかしかった」と語った。



このほか、スケジュールの都合で乗降に混乱が生じたり、急いでいたためか航行中の揺れが気になったりしたとの声も出ている。



MSCクルーズはこうした不満の声を把握しているとし、「乗降口などに柵を増設して導線を最適化し、混雑を回避する」「中国語の案内板を増設し、中国語スタッフを増員する」「スタッフが列を整理し、過密によるパニックを防ぐ」などの改善に取り組むとしている。(翻訳・編集/北田)


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