まるで若返ったよう、次世代リチウム電池の研究開発に中国の知恵

2025年4月21日(月)6時0分 Record China

中国の研究チームが米国シカゴ大学などの研究者と共に、電池を若返らせる秘密を発見しました。写真は湖北省にあるリチウム電池スマート製造産業パークの生産ライン。

中国科学院寧波材料技術工程研究所(寧波材料所)駆動用リチウムイオンバッテリー工程実験室の研究チームが米国シカゴ大学などの研究者と共に、電池を若返らせる秘密を発見しました。これに関する研究成果は「電池材料の酸素活性と負の熱膨張性」と題する論文にまとめられ、北京時間16日夜、国際的な週刊総合科学ジャーナル「ネイチャー」オンラインで発表されました。



中国の研究者たちは、次世代リチウムイオン電池の高容量のリチウムマンガン酸化物(LMO)が加熱されると収縮し、それにより劣化した電池の電圧を回復させ、電池の若返りを実現させることを発見しました。この発見はよりスマートで耐久性に優れた次世代リチウム電池の開発に新たな考え方を提供したと見られます。



研究者たちは綿密な分析を通じて、LMO材料を加熱した場合に示す収縮性と電池の作動するメカニズムの関係を明らかにし、この特性を利用して、劣化した電池の性能を回復させる新たな方法を提示しました。この研究成果は、高比エネルギー電池技術のさらなる発展の科学的根拠となり、今後の電池の設計と使用方法の改善につながります。



「ネイチャー」の編集者は、「電池の若返りを実現するこの研究成果は電池分野の基礎科学を進展させただけではなく、そのオリジナリティーと汎用性は材料の設計に新たなガイドラインをもたらすことになり、複数の学問分野を横断した重要な意義を持っている」と評価しました。



論文の責任作者で、寧波材料所の劉兆平研究員は、「電気自動車(EV車)や、電動航空機の航続可能距離を大きく伸ばすには、次世代の高比エネルギーリチウム電池技術の開発が必須になる。このため、高比容量、高電圧正極材料を開発し、リチウム電池のエネルギー密度を向上させることが研究の焦点となっている」と述べました。



劉研究員によれば、最先端の実験技術と人工知能(AI)が結びついたことで、材料の設計は需要に応じてカスタマイズする方向に向かっています。今後、EV車、電動航空機などに使われるリチウム電池は航続能力を伸ばすだけでなく、このような『若返らせる』手段を通じて、寿命を伸ばすことが可能になり、リチウム電池は永遠に若さを保ちながら利用される時代が来るかもしれません。(提供/CRI)

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