カブールで自爆テロ、有権者登録所周辺で57人死亡 ISの選挙妨害か 

4月23日(月)18時13分 ニューズウィーク日本版

<今度も、シーア派の少数民族ハザラ人が襲われISが犯行声明を出すパターン。国際社会が求める秋の選挙はとても無理、という見方も>

アフガニスタンの首都カブールの士官学校近くで4月22日の朝、50人以上が死亡する自爆攻撃が起き、IS(イスラム国)が系列のニュースメディア「アマック」上で犯行声明を出した。

アフガニスタン内務省の広報官は米政府の海外向け放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の取材に対し、10月の選挙で投票するのに必要な身分証明書を受け取るために多くの人が順番待ちの列を作る中、犯人は体に巻き付けた爆発物を爆発させたと述べた。事件が起きたのはカブール西部のダシュテバルチという地区で、有権者登録所は士官学校の敷地内に開設されていた。

「私はこの臆病な攻撃の被害に遭った人々のために祈る。公正で透明な選挙への私たちの決意は変わらず、テロリストはアフガニスタン国民の意思に逆らって勝利を収めることはできないだろう」と、アブドラ・アブドラ行政長官はツイッターで事件を非難した。

事件が起きた地域には少数民族ハザラ人が多く住み、その多くがイスラム教シーア派だ。ハザラ人に対してはこれまでも、攻撃が起きてはスンニ派の過激派ISが犯行声明を出すという事件が繰り返されてきた。

タリバンは関与を否定

選挙に反対の勢力と言えばイスラム原理主義勢力タリバンもそうだ。選挙はアメリカが自分たちに都合のいい統治者を権力の座につけるための陰謀だと主張している。だが、タリバンの広報担当者は事件への関与を否定していると、ロイター通信は報じる。

自爆攻撃の犯人は徒歩で現場に近づいたと考えられている。爆発により複数の車が大破したほか、周辺の建物のガラスが割れ、道路には残骸が散らばっていた。

爆発が起きた際に近くにいた男性は「女性や子供もいた。みんな身分証を取りに来ていた」と語った。

Among hundreds of papers & dozens of shoes left on the side of bombing in west Kabul, I saw photos of these two little kids and keep thinking of them not to be among victims... what a horrible life we have in Kabul. #Kabul #DashteBarchi pic.twitter.com/cEO6NRrZ8r— Ehsanullah Amiri (@euamiri) 2018年4月22日

(テロ現場のそばに散った多くの書類のなかに、2人の子供の写真が見えた。この子たちまで犠牲になっていませんように。何てひどい生活だ)


アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は、何度も延期されている下院選を年内に行うよう国際社会から圧力を受けている。選挙を行うには国民の有権者登録が必要だが、多くは政府が発行する身分証をまだ持っていない。



今年の冬が来るまでに有権者登録が完了しなければ、選挙は来年まで延期されることになる。中東の衛星テレビ局アルジャジーラのアブドゥラ・シャフード記者は、準備はうまく行っていないと言う。

「タリバン支配下の多くの地域で選挙日程が組まれているが」とシャフードは指摘した。「そんなところで自由な投票が行われる可能性はゼロだ。たとえ政府が法と秩序を実現し、投票という権利を保障すると言っても、無理なものは無理だ」

ISはこの数カ月、カブールやアフガニスタンの各地で一般市民を標的にした攻撃を繰り返している。国連が先ごろ出した報告書によれば、武力紛争やテロによる一般市民の死傷者は今年1〜3月だけで2258人に上ったという。

(翻訳:村井裕美)

(International Business Times)

プリサ・ポール

ニューズウィーク日本版

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