養殖アワビ2万トンを福建から北部海域に移送、海水温度の上昇受け―中国
2025年4月24日(木)11時50分 Record China
福建省から北部海域に運ばれるアワビは2万トンに達し、今年10月まで3万トンを漁獲できる見通しです。
中国南東部の福建省沿海海域では水温が最近、徐々に上がってきています。同省の省都である福州市連江県では、養殖業者がアワビの活着率を高めるために、山東省の栄成、遼寧省の大連など北部の海域に移して養殖を続けます。
福建省から北部海域に運ばれるアワビは2万トンに達し、今年10月まで3万トンを漁獲できる見通しです。これらのアワビは連江県で養殖を続ければ、漁獲量は1万5000トンにとどまります。
連江県黄岐半島の北側にある数万ムー(5万ムーは約3300ヘクタール)の養殖海面では、養殖業者が朝早くにやって来て、海中につり下げられたアワビのケージを一つ一つ引き上げ、整理してから専用輸送船に積み込みます。
連江県のアワビ養殖業者の尤厚さんは、「福建省の海水の水温は徐々に上昇してきており、山東省の養殖場にアワビを運びます。そちらの水温はアワビの生息に適しています。5月末までに移送作業を終えるように努力します」と紹介しました。
養殖場の水温がセ氏29度を超えると、アワビは死にやすくなります。連江県の養殖業者は活着率を高めるために、「冬と夏で南北の養殖場を交換する」という方式を考案して、晩春から初夏にかけてアワビを山東省や遼寧省などの北部海域に移送して養殖を継続し、晩秋から初冬にかけて再び南部海域の養殖場に戻します。
連江県のアワビ養殖業者の呉永寿さんは、「だいたい毎年4月20日ぐらいになれば北に運びます。アワビは北部海域で夏を過ごします。北部海域の水温が下がり始めると、また南部海域に戻します。水温がちょうどアワビの成長に適します」と説明しました。
連江県のアワビ生産量は中国全国の約3分の1を占めています。アワビの南北養殖場交換モデルは、1キロ当たりで輸送コストが4元(約80円)ほど増加しますが、活着率を8割以上に向上させることができ、しかも成長が早まって生産量が目に見えて増加するとのことです。(提供/CRI)