走る凶器と化す電動自転車、リミッター解除で最高時速130km

5月23日(水)15時12分 サーチナ

中国の電動自転車は、日本の「電動アシスト自転車」と違って、ペダルのない「フル電動自転車」が一般的。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国で電動自転車による人身事故が多発している。政府機関である工業和信息化部(工業情報化部)によれば、電動自転車が関連した2013〜17年にかけた道路人身事故は5万6200件を数える。負傷は6万3500人、死亡は8431人。工業情報化部は「電動自転車一般技術条件」を設け、制限時速20km、総重量40kgなどの制限を設けているが、メーカーや販売店によるリミッター装置の解除などの改造が横行。80kg以上の大型車両が全国で2億台といわれる保有台数の大部分を占め、中には時速120〜130kmの高速走行が可能な「自転車」もあるという。このままでは重大な事故が頻発しかねないと、複数の中国メディアが警鐘を鳴らしている。

 工業情報化部は5月17日に「電動自転車安全技術規範」を発表し、制限速度を時速25km(現行比25%引上げ)に引き上げ、総重量を55kg(同38%)、バッテリー出力を240ワットから400ワット(同67%)に引き上げる新規制を19年4月15日から正式導入するとしている。現状を追認し、より現実的な規制を設けたつもりらしいが、実際には「スピードが出ない電動自転車は人気がなくて商売にならない」といわれており、その実効性は疑問だ。

 新規制の導入に合わせて工業情報化部では、向こう数年をかけて一定値引き価格での引取り、廃棄時の補助金交付などを検討しているとういうが、毎年3000万台が売れ、2億台に達したという保有台数を抱える大市場のユーザーのニーズが、80kg以上の大型車両で、自動車並みのスピードを求めているとあっては、どれほどの効果があるのだろうか?

 中国の電動自転車は、日本の「電動アシスト自転車」と違って、ペダルのない「フル電動自転車」が一般的。なかには、プラスチックやステンレスのボディを持った小型自動車のような電動3輪自転車もある。それでも、自転車の範疇なので、免許や登録等が不要で、公道を自動車に交じって走っている。

 ただ、車両の大型化とリミッター外しなどによる高速化が重なって、電気自転車による重大な事故が増えている。中には、電気自転車による火災事故もあり、2013年〜17年までに電気自転車が絡んで3人以上が死亡した火災は34件で、158人が死亡しているという。社会全体に電気自転車の安全面に関する動揺が広がっており、利便性をキープしたままで、安全運転を徹底させる工夫が求められている。(イメージ写真提供:123RF)

サーチナ

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