「刑務所幹部に強姦され妊娠させられて…」北朝鮮の被害女性が告発した理由

5月24日(木)6時38分 デイリーNKジャパン

米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は22日、米国の「全米民主主義基金(NED)」が2018年・民主主義賞の受賞者として、4つの韓国のNGO——北朝鮮人権市民連合、ナウ(NAUH)、転換期正義ワーキンググループ(TJWG)、国民統一放送(UMG)を選定したと伝えた。いずれの団体も、北朝鮮の人権問題を活動内容としている。


このうち、韓国デイリーNKと同一グループの対北短波ラジオである国民統一放送は、独自に北朝鮮における人権侵害被害者の証言の掘り起こしを行い、その証言を北朝鮮に向け発信している。



その最初の証言者となったのは、脱北女性のキム・チャンミさんだ。2007年、チャンミさんはいったんは中国へ逃れたものの北朝鮮に強制送還され、拘留場、集結所、教化所に収監され、ひどい人権侵害を受けた。


彼女の体験談は、どれもにわかには信じられないようなものばかりだが、とりわけひどいのが、北朝鮮の収容施設で当局幹部により性的虐待され、妊娠させられ、麻酔もせずに中絶手術をされたというものだ。


北朝鮮の収容施設で、こうした行為が横行しているということ自体は、以前から知られていた。しかしいざ、当事者の証言と接すると言葉を失ってしまう。


しかし当事者の告発なくして、人権侵害の責任追及は力を持たない。


チャンミさんは国民統一放送のインタビューで、「女性としてこのような話をすることは容易ではないのに、どのように勇気を発揮することができたのか」と問われ、次のように答えている。


「性的虐待されたのが私一人だけだったら、墓場まで持っていったかもしれません。しかし、あのようなことはまだ北朝鮮で起きています。


私を性的虐待した監察課副課長だけでなく、それなりのポストにいる人々は、一般庶民を軽く見ている。多くの人が被害を受けているのに、家族すら知りません。私の家族も、私がこんな目にあったことを未だに知りません。だから、韓国にいる今、堂々と事実を知らせたいのです。早く統一されて、北朝鮮から苦痛が消えて、人々が普通の暮らしを送れるようになることを望むばかりです。


性的虐待と強制中絶は女性被害者に深刻な精神的肉体的苦痛を与える反人道犯罪です。国際社会は、このような反人道犯罪を記録しており、加害者に責任を問う日が来るでしょう。拘留場と集結所にいる北朝鮮当局者たちは、今すぐに収監者に対する人権侵害をやめなければなりません」



金正恩党委員長は今、米朝会談で人権問題が取り上げられることを最も恐れている。


人権問題は、恐怖政治で権力を維持する金正恩体制の根幹にかかわるものだ。この問題こそが、金正恩氏が米国に要求する体制保証と直結している。



そんな状況下、チャンミさんが行ったような脱北者たちによる勇気ある告発は、金正恩氏にとって頭の痛いものであるはずだ。


NEDは民間NGOの扱いだが、実際には活動資金の大半を米議会から受け取っている。そんな組織が国民統一放送に賞を贈るのだから、北朝鮮をいたく刺激するに違いないのだ。

デイリーNKジャパン

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