「葬送のフリーレン」から勇気をもらった台湾人男性、無差別刺傷事件で乗客を守る―台湾メディア

2024年6月6日(木)12時0分 Record China

4日、台湾メディアの聯合新聞網が、日本のアニメ「葬送のフリーレン」に勇気をもらった台湾人男性が、地下鉄の無差別刺傷事件から乗客を守ったと報じた。写真は葬送のフリーレン。

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2024年6月4日、台湾メディアの聯合新聞網が、日本のアニメ「葬送のフリーレン」に勇気をもらった台湾人男性が、地下鉄の無差別刺傷事件から乗客を守ったと報じた。



記事によると、先月21日に台湾の台中メトロの地下鉄内で発生した無差別刺傷事件で、長髪の台湾人男性が犯人と約1分間格闘し、車内の他の乗客を守った。事件現場に居合わせた乗客たちは、「男性が犯人を押さえてくれたおかげで、他の乗客が傷つけられなかった」と証言した。同日、男性は台中市政府から表彰され、生涯無料乗車券が贈られた。男性は当時非常に恐怖を感じたというが、日本のアニメ「葬送のフリーレン」の中で最も感動した言葉「勇者ヒンメルならそうしたってことだよ」が脳裏に浮かび、顔が血まみれになった恐怖の中でも勇気を振り絞ったことを明かし、「やるべきことをした」と語った。



「葬送のフリーレン」では、非人類種族のエルフとして共感能力に乏しい主人公・フリーレンが、勇者ヒンメルやほかの仲間との冒険を通じて、徐々に自身の内なる感情に気付いていく。アニメではヒンメルが亡くなってから長い時間が経っているが、フリーレンは「ヒンメルのことを思い出す」ことで、人間同士の感情のつながりの重要性を一歩ずつ理解していく。その中で、フリーレンがよく言う言葉に「勇者ヒンメルならそうしたってことだよ」がある。



記事は「過去、ビデオゲームやアニメは青少年の暴力行為を引き起こすと考えられてきた」とした上で、精神科医の楊聡財氏が「水は舟を運ぶが、舟を転覆させることもある。何事も使い方次第である。今回の男性のケースでは、アニメキャラクターが良い人間性を示したため、自分にもできると信じ、緊急時に『戦うか逃げるか』の間で戦う勇気を選ぶことができた」と語ったことを紹介した。



楊氏は、日本のアニメ「スラムダンク」を例に挙げ、「音楽や各キャラクター、さまざまなストーリーの対話や感想が潜在的に良い影響を与え、模範とする効果がある」と述べた。また、「脳科学の観点から見ると、緊急事態が発生した時に人が迅速に反応するためには、アドレナリンとドーパミンが活動力を提供する必要がある。そして、その瞬間に他人を守る選択をすることは、心理学者フロイトが言う『超自我』が作用していると言える。脳科学の研究はますます『人間の本性は善である』の方向に近づいており、人の前頭葉内側にある『良心中枢』が共感を処理し、他人の苦痛を見た時にそれを改善したいと感じる」と説明した。



楊氏は「英雄はしばしば平凡の中から生まれる。男性の勇敢な行動に感服する。その場で勇気を発揮できたことは、日常生活の環境に『正の強化』(ある行動によって望ましい結果が得られ、その行動が増加・維持されること)が存在することを示している」と述べる一方、「特に護身術では、まず自分の安全を確保することが最優先。家庭内暴力を目撃した場合などに勇気を持って行動することも大切だが、まずは自分の安全を確保することが前提だ」と述べた。(翻訳・編集/岩田)

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