米国がついに中国企業を起訴、強力な覚せい剤「フェンタニル」密輸で
2023年7月1日(土)6時0分 JBpress
ついに捕まえた覚せい剤密輸の中国企業
米司法省は6月23日、覚せい剤「フェンタニル」
米司法省が覚せい剤関連で中国企業を起訴したのは、
フェンタニルをめぐる米国〜
(Office of Public Affairs | Justice Department Announces Charges Against China-Based Chemical Manufacturing Companies and Arrests of Executives in Fentanyl Manufacturing | United States Department of Justice)
(US files first-ever charges against Chinese fentanyl manufacturers | Reuters)
フェンタニル過剰摂取で命を落とす米国民は2022年11万人。20
(ベトナム戦争で戦死した米兵は5万8220人だったことを考え
(現在の薬物乱用の状況|厚生労働省)
死ぬのは大都市圏の中高年層
フェンタニルは1960年代に開発された鎮痛剤で、2017年に
その一方で、ヘロインなどに比べると強力で、コンパクトなため物流も容易なことから麻薬組織の目玉商品として売りさばかれるようになった。
米国には完成されたフェンタニルとしてメキシコから密輸されている。
2022年1年間だけで米国麻薬取締局(DEA)が押収したフェンタニルは4500
バイデン政権になってからフェンタニル過剰摂取で死んだ人はそれまでの2倍に増えている。
死亡した米国人の多くは大都市圏に住む25歳から36歳までの白
(Drug Overdose Death Rates | National Institute on Drug Abuse (NIDA))
(Racial/Ethnic and Age Group Differences in Opioid and Synthetic Opioid–Involved Overdose Deaths Among Adults Aged ≥18 Years in Metropolitan Areas — United States, 2015–2017 | MMWR)
「マリファナと同じように精神的ストレスの解消、
その「闇の入手ルート」は主にマフィアだが、
(Office of Public Affairs | Justice Department Announces Charges Against China-Based Chemical Manufacturing Companies and Arrests of Executives in Fentanyl Manufacturing | United States Department of Justice)
麻薬組織はメンバー2万人で軍隊並み重装備
「シナロア・カルテル」は、麻薬密売人、ホアキン・グスマンが200
マリファナ栽培からコロ
メキシコ政府とは4年にわたる戦闘を続けているが、
「グスマン氏のお陰で、
一方、2番手の「CJNG」は、ネメシオ・オセグエラ・
「全国に100以上のフェンタニル研究所を持っており、
両カルテルに共通しているのは、
(Don't Bomb Mexico - The Atlantic)
米下院議員2人が米軍出動法案上程
共和党は2024年大統領選でホワイトハウスを奪還するべく、
経済低迷、
その震源地であるメキシコに対する非難は、
下院のダン・クレンショー(テキサス州選出)、マイク・ワルツ(
同法案は目下下院外交委員会での審議を待っている。
クレンショー氏は、南部の無鉄砲なタカ派議員ではない。タフト大学在学中に海軍に入隊、海軍特殊部隊の一員としてアフガニスタン戦争に参戦した。
除隊後、ハーバード大学ケネディ行政大学院で修士号を取得している「文武両道議員」だ。
ワルツ氏は陸軍特殊部隊グリーン・
同法案は、メキシコからのフェンタニル密輸は米市民の命を奪っており、これ以上手をこまぬいているわけにはいかないと指摘。
1990年代コカイン
(Reps. Crenshaw and Waltz Introduce AUMF Targeting Mexican Drug Cartels | Press Releases | Congressman Dan Crenshaw)
上院のトム・コットン(アーカンソー州選出)、リンゼイ・
ドナルド・トランプ大統領候補(前大統領)は、
(トランプ氏は大統領当時、
(Amazon.com: A Sacred Oath: Memoirs of a Secretary of Defense During Extraordinary Times eBook : Esper, Mark T.: Kindle Store)
しかし、トランプ氏は今回の大統領選キャンペーン用のビデオで再び、
同じく大統領選に立候補しているロン・デサンティス・
そうした中、上院ではジョン・コーニン議員(テキサス州選出)
バイデン民主党が全く乗ってこないわけ
ところが、こうした共和党の動きにホワイトハウスも民主党もどこか
ホワイトハウスのアンドリン・ワトソン国家安全保障会議(NS
「
「バイデン政権としては、メキシコ国境保全のための技術の向上、
国防総省の制服組トップ、マーク・
「メキシコに軍事進攻するなどとは、バッド・アイデア(不了見)だ。
(GOP embraces a new foreign policy: Bomb Mexico to stop fentanyl - POLITICO)
バイデン政権が麻薬カルテル攻撃に消極的なのはなぜか。
「ポリティコ」のアレキサンダー・
一、米北方軍によれば、メキシコ全土の30%から35%
二、麻薬カルテルに対する米軍の軍事行動でサプライ(供給)サイドはイン
三、密輸ルートでのフェンタニルが米国内に入るのは止まるだろう
(GOP embraces a new foreign policy: Bomb Mexico to stop fentanyl - POLITICO)
愛用者がなくならない限り問題解決せず
トランプ氏を先頭に共和党は、かつて国際テロリスト組織「
だが、メキシコは米国にとっては重要な隣国。しかも麻薬カルテルを取り巻くメキシコ事情は経済、文化、
米国にはメキシコ系米国人が6210万人も住んでいる。
さらに下院に上程された法案も下院は可決・成立しても、
「
米主流メディアのメキシコ系ジャーナリストのJ氏の言い放った捨
「いくら元栓を閉めても、蛇口が開いていれば水は漏れる。フェンタニルを欲しがる米国人がなくならない限り、
筆者:高濱 賛