韓国への輸出規制、日本が準備する「第2・第3の矢」

7月24日(水)7時0分 NEWSポストセブン

このままでは大きなダメージを受けることも…(写真/AFP=時事)

写真を拡大

 日本政府は7月4日に対韓輸出の新たな方針を実施した。半導体やディスプレイの製造に必要な感光材(レジスト)、エッチングガス(フッ化水素)、ディスプレイ用樹脂材料(フッ化ポリイミド)という3品目について、従来の簡略な手続きを改め、個別に輸出許可申請を求めて輸出審査を行なう方針に切り替えるという内容だった。


 さらに日本には「第2の矢」「第3の矢」が控えている。すでに視野に入っているのが軍事転用技術の輸出を緩和する「ホワイト国」待遇の見直しだ。


「日本は輸出管理を厳格に実施している国として韓国を『ホワイト国』に指定しているが、今回の措置に対する韓国の出方次第では、これを外す手続きを検討しています」(官邸スタッフ)


 それは何を意味するのか。


「ホワイト国から除外されれば、武器化や軍事転用の可能性が高い製品や技術などを輸出する場合に、契約ごとに経産省の許可が必要になります。該当する製品などを許可なしに輸出した場合は、外為法違反で罰せられます」(経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易審査課)


 ホワイト国からの除外によって、食料や材木をのぞく広範な品目に個別許可が必要になるとされる。7月4日付の「中央日報」は約1100品目が輸出規制に該当すると報じた。韓国経済に詳しいジャーナリストは「この措置で影響を受けるのは韓国の未来技術産業」と指摘する。


「韓国の新産業分野における研究開発の必須素材や部品の多くが日本産です。例えば、韓国政府が推進する水素自動車は、東レと三菱レイヨンが世界1、2位のシェアを占める炭素繊維なしでは実現不可能とされます。


 同じくこれから市場の成長が著しいとされるロボット分野においても、関節の役割を果たす核心部品は、日本企業のハーモニック・ドライブ・システムズが事実上独占している。これらの部品の多くは軍事転用が可能であり、規制対象になり得ます」


 2018年の日本から韓国への輸出は約5兆8000億円。内訳は輸出管理が強化された3品目を含む化学製品が23.5%とトップで、一般機械が22.6%を占める。ホワイト国除外によって広範な輸出規制が可能になるため、日本は今後、金属加工機や車のエンジンなどに使われる原動機、電子計算機などの一般機械を対韓輸出のターゲットにする可能性もある。


 韓国政府はホワイト国除外にも反発するが、そもそもアジアの中で日本がホワイト国と認めたのは韓国のみ。これまでの「特別扱い」を普通の待遇に戻すだけの措置であり、国際社会の批判には当たらない。


 今回の措置は、韓国経済がいかに日本に依存しているかという実態を改めて浮かび上がらせた。


「過去に東日本大震災や熊本地震で日本製品のサプライチェーンが寸断された際は、ヒュンダイや双竜自動車、韓国GMの自動車の部品や、サムスンやLGのスマホに使用されていたソニーのカメラ部品などの不足が心配されました。最近は各社ともリスクヘッジのため日本以外の部品調達先を見つけようとしていますが、細かな部品や技術は今も日本からの輸入に頼っています」(韓国人ジャーナリスト)


※週刊ポスト2019年8月2日号

NEWSポストセブン

「輸出規制」をもっと詳しく

このトピックスにコメントする

「輸出規制」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ