中国では半数以上の行政区でGDP目標が未達、専門家は内需不足を指摘―台湾メディア
2024年7月30日(火)7時0分 Record China
中国ではそれぞれの省クラス行政区(省、中央直轄市、民族自治区)が2024年上半期の経済指標を発表しつつある。中国の省クラス行政区は全部で31カ所あるが(香港、マカオ、台湾を含まず)、台湾メディアの中時新聞網は27日付で、経済指標を発表した23の省クラス行政区のうち、16カ所ではGDPの成長目標が未達だったと紹介する記事を発表した。専門家からは、内需不足を指摘する声が出ているという。
中国政府は3月に開催した全国人民代表大会(全人代)で、24年の実質GDP成長目標を「5%前後」とした。中国国家統計局は15日、24年第2四半期(4−6月期)と同年上半期の経済指標を発表した。上半期のGDP成長率は5%だったが、第2四半期の成長率は4.7%だった。経済成長は鈍化しつつも、上半期全体としてかろうじて通年目標の水準を維持したことになる。
中国ではこれまでに23の省クラス行政区が上半期の経済指標を発表した。うち16カ所ではGDP成長率が年間目標を下回っており、一部では1ポイント以上も低かった。
上半期のGDP成長率が年間目標を上回ったのは江蘇省、北京市、天津市、内モンゴル自治区、重慶市、浙江省、福建省だった。中でも江蘇省は、上半期のGDPが6兆3300億元(約134兆円)で、成長率は年間換算で5.8%であり、同省政府が掲げている年間成長目標の5%を上回った。
一方で、中国経済の最大の省である広東省は、上半期のGDP規模は6兆5200億元(約138兆円)で、成長率は年間換算で3.9%と、年間目標の5%を下回った。広東省体制改革研究会の彭澎執行会長は、不動産市場の縮小が広東省の経済の足を強く引っ張っており、特に家電、家具、建材などの産業が影響を受けていると述べた。
目標未達の行政区の中で、海南省、西蔵チベット自治区、湖南省、雲南省、広東省、新疆ウイグル自治区の上半期成長率は年間目標を1ポイント以上下回った。特に海南省は上半期のGDP成長率がわずか3.1%で、年間目標の8%と大きな差が出た。
中国(深セン)総合開発研究院企業と市場研究センターの鄭天騁副主任は、現在の中国では内需の不足が経済発展を阻害する大きな要因となっており、内需を高めることを目的とした経済政策を強化し、需要側にもっと多くの経済成長をもたらす力を与えるべきだとの考えを示した。また、市場は回復するとの見方を成立させることで、中間所得層が安心して消費できるようにする必要があるという。(翻訳・編集/如月隼人)