「発射体が弾道を描くのは当たり前だ」北朝鮮が反発

2019年8月3日(土)15時14分 デイリーNKジャパン


北朝鮮外務省の報道官(スポークスマン)は2日、英仏独が北朝鮮の相次ぐ飛翔体発射を受けて国連安全保障理事会の非公開会合を開くなどしたことを非難する談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。


国連安保理の常任理事国である英仏独3カ国は1日、非公開会合を開き、弾道ミサイル技術を用いた発射は安保理決議違反に当たるとして、北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射などを非難する共同声明を発表した。


談話はこれに対し、「国連が自分の好みに合わせて不法非道に作り上げた国連安保理の対朝鮮『決議』を一度も認めたこともなく、今後も認めない」と反発した。


また、「いかなる発射体であれ地球の重力によって直線ではなく、弾道曲線を描くのは至極、自明の理である」としながら、「安保理が発射体の射程を問題視したのでもなく、弾道技術を利用した発射それ自体を問題視しようとするのは結局、われわれに自衛権を完全に放棄しろというのと同様である」と強調した。



同通信の報道全文は次のとおり。



朝鮮外務省代弁人、国連安保理が開いた非公開会議を糾弾


【平壌8月2日発朝鮮中央通信】朝鮮外務省のスポークスマンは2日、次のような談話を発表した。


1日、国連安保理が英国、フランス、ドイツのそそのかしの下でわれわれの武装近代化措置をいわゆる「決議違反」に言い掛かりをつける非公開会議なるものを開いた。


われわれは、国連が自分の好みに合わせて不法非道に作り上げた国連安保理の対朝鮮「決議」を一度も認めたこともなく、今後も認めないであろう。


当事国が認めないそのような「決議」を作り上げて主権国家の自主権に属する問題をあえて卓上に上げてどうのこうのとうんぬんすること自体が、われわれに対する冒とく、無視であり、重大な挑発である。


いかなる発射体であれ地球の重力によって直線ではなく、弾道曲線を描くのは至極、自明の理である。


国連安保理が発射体の射程を問題視したのでもなく、弾道技術を利用した発射それ自体を問題視しようとするのは結局、われわれに自衛権を完全に放棄しろということ同様である。


特に、われわれはいかなる国ともミサイルをはじめとする発射体の射程を制限することに関する合意を結んだこともなく、それに関連する国際法にも拘束されていない。


われわれが核実験と大陸間弾道ロケットの試射を中止することにしたのは、対話の相手に対する善意であり、配慮であって決して、強弁にすぎない国連安保理の対朝鮮「決議」を認めて順守しようとする行動の一環ではない。


朝鮮半島の平和と安定を願う国際社会の普遍的な期待に応えて、われわれはすでに20カ月以上も核実験と大陸間弾道ロケットの試射を中止する最大の忍耐心を発揮している。


しかし、国連安保理は南朝鮮で繰り広げられる戦争演習と先端攻撃兵器の増強についてはあくまでも顔を背け、われわれの通常兵器の開発措置についてのみ無鉄砲にけなしてわれわれの心気に触れている。


これにより、国連に対するわれわれの忍耐心は消尽しており、憤怒と化している。


特に、とんでもないことは今回、英国とフランス、ドイツがせん越にも前面に出てわれわれに言い掛かりをつける会議を招集し、いわゆる「共同声明」なるものまで発表して差し出がましく振る舞ったことである。


われわれは、国家の自主権と自衛権を籠絡しようとすることについてはそれが誰であれ、いささかも許さずはっきり計算するであろう。


今回、国連安保理の非公開会議の招集に先頭に立った国々は、他国内のことにせん越に言い掛かりをつけた自分らの無分別な行為を当然、反省すべきであろう。


今回のような英国とフランス、ドイツの無分別な言動は、朝鮮半島情勢の緊張を抑止するのではなく、むしろさらに悪化させる正触媒に作用するということを遅れる前に悟らなければならない。


そのような会議の招集を主導する笑わせることをこれ以上、行ってはならない。−−−

デイリーNKジャパン

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