<卓球>金メダルの自国選手に中指、専門家「ファンの過激行為抑制に一刻の猶予もなし」
2024年8月10日(土)21時0分 Record China
2024年8月9日、香港メディア・香港01は、パリ五輪で自国選手に対する誹謗中傷が問題になった中で、復旦大学の教授がスポーツファンの風紀の乱れを早急に正すべきとの見解を示したことを報じた。
記事は、優秀なアスリートがますます注目される中、忌まわしい「ファンコミュティ」文化が徐々にスポーツ界に浸透しつつあると指摘。3日に行われたパリ五輪卓球女子シングルス決勝で陳夢(チェン・モン)に敗れた孫穎莎(スン・インシャー)のファンが試合後、陳に対して中指を立てるトラブルが発生し、物議を醸したことに言及した。
その上で、復旦大学の瀋逸(シェン・イー)教授が「もともと芸能界で発生した『ファンコミュニティ』の乱れた現象がスポーツ界に浸透しないようさらに注視しなければならず、一刻の猶予も許されない」とする文章を発表したことを紹介。「スターを追いかけるファンがいるのは世の常だが、一部のファンは選手を執拗に追いかけまわしてカメラを向け、プライバシーまで侵害して携帯電話の番号を漏らしたり、部屋に侵入したりする。試合中もマナーに反してシャッターを押したりフラッシュをたいたりするほか、大声で騒いだりする。そして異なる選手を応援するファンどうしが対立し、SNS上で罵り合っているのだ」と指摘したことを伝えた。
瀋教授は文章の中で、過激かつ節操のない「追っかけ」行為はスポーツ競技の秩序を乱すだけでなく、アスリートの試合、トレーニングさらには日常生活に著しい悪影響を及ぼすと断じた上で、中国のSNS微博で陳の勝利後に孫や馬琳(マー・リン)監督を貶めるような書き込みを行った女性が公安当局に拘束された件に言及し「公安部が速やかに行動に出たのは、ファンコミュニティの乱れのスポーツ界への蔓延を食い止め、スポーツ競技の純粋性と公平性を守ることにつながった」と評している。
さらに「スポーツは、ゆがんだファンコミュニティの温床にすべきではならないし、してはならない。乱れた現象を食い止め、社会と民衆によるアスリートの競技自体を楽しむ能力を高めていくことは、各当事者の共同責任だ」と論じた。(翻訳・編集/川尻)