アムールトラ20頭が異状死の動物園、「違法繁殖」で2億円の罰金―中国
2024年8月16日(金)7時0分 Record China
2024年8月14日、香港メディア・香港01は、中国で東北虎(アムールトラ)を劣悪な環境で死なせたとして、安徽省の動物園に1139万元(約2億1000万円)の罰金が科せられたと報じた。
記事によると、同省にある阜陽野生動物園は許可証がないにもかかわらず国家一級保護動物のアムールトラを人工繁殖し、違法に展示していた。また、動物園の経営権をめぐるトラブルにより動物の飼育がおろそかとなり、アムールトラ20頭を含む多くの希少動物が異状死した。
同市潁東区林業局は5日、国家重点野生動物の不法展示(利用)および不法繁殖飼育の疑いで、同動物園を経営する安徽七彩野生動物楽園に対して不法所得67万元(約1400万円)余りの没収と、罰金1139万元の行政処分を科したことを明らかにした。
記事によると、国家一級保護動物の飼育と繁殖には国の林業当局、二級保護動物には省林業当局の許可が必要。同社は以前、アムールトラなどを飼育する許可申請を出していたが、同局が2018年9月に「アムールトラ、アジアゾウ、ベンガルトラの人工飼育繁殖にふさわしい場所と施設・設備条件を備えていない」として許可しない決定を下していた。
しかし、同動物園は現在もなお複数のアムールトラやライオンを檻(おり)の中で放し飼いにして来場者に見学させており、長年にわたり不法にアムールトラを展示し、人工繁殖させていた。
問題発覚後、国家林業・草原局は「トラなど陸上野生動物の人工繁殖特別取り締まり行動実施に関する通知」を発表し、今年9月30日より全国的に特別取り締まりを実施する予定だという。(翻訳・編集/川尻)