中国とモーリシャス、「海底熱帯雨林」の保護で協力

2024年8月21日(水)18時30分 Record China

モーリシャス東海岸の近海域には、中国企業とモーリシャスの環境保護組織が共同で作るサンゴの苗床がある。

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モーリシャス東海岸の近海域には、中国企業とモーリシャスの環境保護組織が共同で作るサンゴの苗床がある。ここでは各地から集められたサンゴのかけらが育成されている。うまく成長したサンゴは退化が見られるサンゴ礁に移植される。これによって海底の「植林」が実現する。新華社が伝えた。



このサンゴの苗床を管理するモーリシャスの環境保護組織「省エネ社会」の代表者であるナディム・ナズラリ氏は、「中国の技術支援によりサンゴの育成がスピードアップした。中国とモーリシャスが共同で実施するサンゴ救助計画により、現地のサンゴ礁が活力を取り戻しつつある」と説明した。



スピードボートに乗ること十数分後、サンゴの苗床に到着した。その海底には多くのコンクリートブロックが置かれており、その上には水平方向に格子状の金属フレームが設置されている。格子の中には大小さまざまなピンク色の「石」がびっしりと敷き詰められている。これが育成中のサンゴだ。



ナディム氏によると、「海底熱帯雨林」と呼ばれるサンゴ礁は、多くの海洋生物の生息地だ。また、マングローブや藻場などの海洋生態系と密接に関連している。「サンゴ礁を失えばすべてを失うことになる」と話す。



ナディム氏は長期的に海洋保護とサンゴ育成に従事している。同氏によると、サンゴの育成作業は手間暇がかかり、作業員は海と陸の間を行き来し、サンゴの成長を調べるために頻繁に潜水する必要があった。それにもかかわらず、サンゴの育成には後退という悩ましい状況が生じた。例えば「サンゴキラー」であるオニヒトデは一晩で4平方メートルのサンゴの苗床を食い荒らし、翌日に発見した時すでに手遅れだという。



華為(ファーウェイ)モーリシャス技術の技術エンジニアである李済宇(リー・ジーユー)氏は、「サンゴの苗床に水中カメラやセンサーなどのモニタリング設備を設置することで、サンゴの成長過程と周辺環境の変化をリアルタイムで追跡できる。関連する画像とデータ情報は5Gネットワークによって陸上のデータセンターにリアルタイムで送られ、速やかに処理・分析される」と説明した。



ナディム氏は、「今は事務所に坐っていても水中の状況が一目瞭然だ。これは水中の作業時間を大幅に短縮するだけでなく、異常発見時の速やかな介入と処理を保証できる」と述べた。



サンゴの苗床の近くには約10平方メートルの海上プラットフォームが設置されており、その屋根にはソーラーパネルが隙間なく敷き詰められている。ナディム氏は、「中国企業は海上での電力供給の難題を解決するため、苗床に太陽光電力供給システムを提供し、設備の24時間連続の稼働を保証している」と述べた。



モーリシャスのスディーア・モドゥー・ブルーエコノミー・海洋資源・漁業・海運大臣は、「同プロジェクトが2020年に始まった後、海底のサンゴの苗床は2万5000以上のサンゴのかけらの育成に成功した。これはすでにモーリシャス東部海域に移植され、同海域のサンゴ礁の活性化に貢献している」と述べた。



ナディム氏は、「同プロジェクトが中国の技術で収集した水中映像とデータはモーリシャス大学にも提供され、科学研究者がサンゴの白化現象の過程、サンゴとその他の海洋生物の相互作用のパターン、海洋生物個体群の分布などを理解するため貴重な資料を提供する」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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