中国、一部の省や都市で今年上半期の出生数が増加、一時的との見方も―シンガポールメディア
2024年9月10日(火)12時0分 Record China
シンガポール華字メディアの聯合早報は8日付記事で、中国について、総人口が2年連続で減少する中、一部の省や都市では今年上半期の出生数が増加したが、それも一時的なものにすぎないとの見方もあると伝えた。
記事によると、8月以降、広東省、山東省青島市、陝西省宝鶏市、湖北省天門市、黒竜江省大慶市、内モンゴル自治区アルシャー盟などが相次いで、今年上半期の出生数が前年同期比で増加したことを発表した。
広東省の今年上半期の出生数は前年同期比1.4%増となった。
宝鶏市統計局が3日発表した出生人口調査データによると、調査対象の病院と助産施設が今年上半期に取り上げた赤ちゃんの数は前年同期より346人多い3569人だった。
湖北日報によると、天門市で今年生まれた子どもの数は8月14日時点で4232人で、前年の同じ時期と比べて431人多く、8年ぶりにプラスに転じた。同市では第2子を持つ家庭は9万6300元(約192万6000円)、第3子を持つ家庭は16万5100元(約330万2000円)の補助金を受けられる。
青島市計画生育協会によると、同市の今年1〜6月の戸籍人口出生数は前年同期比5.93%増の2万2669人で、2年続いた減少傾向から転じた。今年通年の出生数は昨年と横ばいか微増になると見込まれている。
一方で、広西チワン族自治区南寧市のように、出生数が年々減り続けている所もある。同市の32の病院で今年上半期に生まれた子どもの数は前年同期と比べて1490人少なく、今年通年の出生数は前年と比べて2109人減る見込みだ。
中国の人口問題に詳しい何亜福(ホー・ヤーフー)氏は5日、SNSへの投稿で、一部の省や都市で出生数が回復した要因として、今年が子どもを産むと縁起が良いとされる辰(たつ)年であることのほか、新型コロナ流行で失われた出産の埋め合わせによる効果も考えられるとし、2023年の婚姻数は768万組で22年から84万7000組増えたことも今年の出生数にプラスの影響を与えたとした一方で、婚姻数が今年再び減少に転じたことや出産適齢期の女性人口の減少、若い世代の出産意欲の低下などにより、「出生数の回復は一時的なものにすぎず、来年は再び減少する」との認識を示した。(翻訳・編集/柳川)