サムスンが中国で人員削減、外資は中国から撤退するとどうなるのか―中国メディア
2024年9月13日(金)11時0分 Record China
中国メディアの三聯生活週刊は11日、「韓国サムスン電子が中国で人員削減、外資は中国から撤退するとどうなるのか」と題する記事を配信した。
サムスンの中国法人は先ごろ、「販売職の8%に当たる130人について人員削減を進める」と報じられており、記事は「これは始まりにすぎず、来年は中国の販売職の30%が解雇されるかもしれない」との情報があることを説明。そして「大規模な人員削減は中国で最小限の存在感だけ維持することを意味する」と述べ、「外資撤退が中国経済および企業自身にもたらす影響を観察するのにサムスンは極めて良い例だ」として5年前の同社のスマートフォン工場閉鎖について伝えた。
記事によると、10年前、サムスンの中国でのスマホ事業は好調で、シェアは20%だった。ハイエンド市場で米アップルと張り合える唯一のブランドだっただけでなく、ミドル・ローエンド市場でも強い影響力を持ち、当時は華為技術(ファーウェイ)を含む中国の主要ブランドとは違うレベルの存在だったという。
ただ、転機となったのが2016年8月に発売した「Galaxy Note7」の爆発事故だ。サムスンに対して中国の消費者が持っていた高級イメージはなくなり、さらに中国でリコールが遅れたことが怒りを招いた。
一方、これと同時に中国ブランドは頭をもたげ始め、ファーウェイや小米(シャオミ)、vivo(ビボ)などが勢力を拡大。サムスンの18年のシェアは1%以下に下がり、同年に深センと天津市内のスマホ工場を、19年には中国に持つ最後のスマホ工場を閉鎖した。
記事はこうした経緯を説明した後に「中国でのスマホ生産から完全撤退したサムスンの今年の人員削減はサムスンが中国で縮小し続けていることを示している」と付け加え、今度は「中国市場から離れた外資企業のその後はどうなるのか」へと話を進めた。
記事によると、コロナ前も一部外資は生産コストの上昇などを受けて拠点を中国国外に移していたが、中国経済はまだ急速発展の段階にあったため外資撤退に納得できない大勢の人の中には「中国市場から離れると生き残りは不可能」と考える人もいたそうだ。
記事は、こうした疑問にサムスンが出した答案は非常に意外なものだったと述べ、「中国でシェアを20%から1%以下に減らしたサムスンは普通に考えると業績に大打撃を受けそうだが、実際にはそうではなかった」と言及。「サムスンは中国市場を去った後、世界のあちこち、とりわけ欧州で認知度を高め、23年はアップルに逆転されたものの過去数年は世界首位を保った」とし、「サムスンの世界市場におけるここ数年の成功は中国経済に対する一つの強烈な警告だ。世界の外資企業にとって中国市場は十分に大きくて重要な市場だが、より大きな世界の中においては『離れると生き残りは不可能』というレベルにはなっていない」と強調した。
さらに、「もちろん、サムスンのスマホが世界市場で1位を維持したからといって、中国市場が重要ではないことにはならない」と述べるとともに、「中国経済と外資の関係への明確な理解があるのであれば、ここ数年の外資撤退ブームに対して十分な重視が引き起こされるべきだ」「中国経済の外資吸引力を増やし、大規模な撤退による衝撃を減らさねばならない」などと論じた。(翻訳・編集/野谷)