中国市場は魅力を失いつつある―独メディア
2024年9月14日(土)9時0分 Record China
2024年9月12日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国にあるEU商工会議所が「中国市場は魅力を失いつつある」とする声明を発表したことを報じた。
記事は、在中国EU欧州連合商工会議所がこのほど新たな立場表明書を発表し「中国政府が改革の約束を果たさないため、欧州企業にとって中国市場の魅力は低下しつつあり、一部の企業にとっては対中投資のリスクとメリットはもはや釣り合わなくなっている」との見解を示したことを紹介した。
また、立場表明書が「予測可能性、信頼性、効率性という、当時外国企業にとって魅力的だった中国市場の特徴が失われつつある上、ビジネス環境がますます政治化されている」としたほか、同商工会議所の関係者が新型コロナ以後中国経済は悪化の一途をたどっており、現在の地政学的緊張もあって加盟企業の約4分の1はサプライチェーンの中国依存を見直し、インドやベトナムに生産の一部を移すことを検討していると指摘したことを伝えた。
さらに、長期的な経済政策を決定する共産党「三中全会」の結果に対する失望の声も聞かれたとし、立場表明書が「三中全会では加工部門を中国経済発展の重要な原動力と位置づけたが、ソーラーパネルをはじめとしてすでに生産過剰が起きている分野であり、さらに生産能力を高めようとすれば中国市場の飽和分が欧米に大量に流れることになり、中国と主要貿易相手国との緊張を悪化させる」との見方を示したことも紹介している。
記事は、独Weser-Kurier紙が「在中EU商工会議所が列挙した問題は、経済のダイナミズムの欠如、市場へのアクセスの困難さ、内需の低迷など、中国における企業の信頼が史上最低にまで落ち込んでいることを示すのに十分なものだ。中国は国家安全保障の名の下に、混乱した法律や規制を出し続けており、在中国企業は法律相談により多くの費用を支払わなければならないといった影響を受けている」と評したことを伝えた。
このほか、独日刊紙ターゲスツァイトゥング(taz)も「中国における欧州企業の黄金時代はとうの昔に過去のものとなった。不動産危機、若者の失業、弱い内需によって、中国経済は苦境に立たされているが、習近平(シー・ジンピン)氏は国家の強化を最も重視している。確かなことは、中国は今後、民間の家計の消費力を高めるのではなく、生産能力を高めることに重点を置くということ。過剰生産能力と非常に低い利益にもかかわらず、輸出を拡大することで危機を脱したいと考えている」と論じたことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)