トランスジェンダー男性、出産するも法律で「母親」と呼ばれることに苦悩(英)

9月14日(土)21時7分 Techinsight

我が子を無事出産したトランスジェンダー男性(画像は『UNILAD 2019年7月18日付「Man Makes History Giving Birth But Faces Battle To Be Called ‘Dad’ On Birth Certificate」(seahorsefilm.com)』のスクリーンショット)

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イギリスで昨年、トランスジェンダーの男性が妊娠して出産した。彼の出産までを英テレビ局が密着取材し、このほどドキュメンタリー番組として放送したことで人々の関心を集めたようだ。『UNILAD』『The Sun』などが伝えている。

英テレビチャンネル『BBC Two』で今月10日の午後9時、ドキュメンタリー番組『Seahorse(タツノオトシゴ)』が放送された。登場したのはフレディ・マコーネルさん(Freddy McConnell、32)で、彼はトランスジェンダーの男性で同性愛者でもあるのだが昨年、妊娠して出産まで果たした。

番組のタイトルにもなったタツノオトシゴだが、その生態は雌が産んだ卵を雄が腹部の育児嚢で稚魚になるまで守り育てるという。出産したフレディさんは女性として生を受けたが自分は男性だと感じるようになり、25歳頃から男性ホルモンのテストステロンを投与するようになった。

また後に胸のふくらみを除去する手術を受けたが、いずれ自分の子供が欲しいと思っていたフレディさんは子宮だけは残していた。そして2016年に妊娠の準備のため投与していたテストステロンを一旦止め、身体が女性らしく丸みを帯びていった。

しばらくして生理が来るようになり、2017年に精子バンクを利用し2回目の人工授精によって妊娠した。お腹の子は順調で徐々に大きくなっていったが、フレディさんは自分がエイリアンにでもなったような気分になり、自分自身が何者か分からなくなりそうになったという。

それでもフレディさんは精神的な苦悩を乗り越えて昨年、元気な男の子を出産することができた。しかしこの後、現実的な問題に直面してしまう。

息子の出生証明書を登録する際、書類にフレディさんのことを「母親」と記入しなければならなかった。フレディさんは「父親」として登録できるように訴えたが、一般登記所では「法律では子供の出生に母親は不可欠である」と言われ、彼の主張は通らなかった。

フレディさんはどうしても「息子の父親」として生きる権利を得るため、高等裁判所に異議を申し立てた。彼の弁護士であるカレン・ホールデン氏(Karen Holden)は「男性であるフレディさんを強制的に赤ちゃんの母親として認識させようとするのは、彼の人権を侵害していると言えます」と述べている。

なおこの訴訟でフレディさんが勝訴した場合、彼の息子はイングランド、もしくはウェールズで初の「母親が存在せずに生まれた子供」として出生証明書に登録されるという。近々判決が出るようだが、更に人々の注目が集まることだろう。

画像は『UNILAD 2019年7月18日付「Man Makes History Giving Birth But Faces Battle To Be Called ‘Dad’ On Birth Certificate」(seahorsefilm.com)』のスクリーンショット

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