中国発のマイクロドラマがグローバルエンターテインメントの最新の破壊者に?―米メディア
2024年10月6日(日)14時0分 Record China
中国メディアの環球時報によると、米映画・芸能専門メディアのバラエティはこのほど、中国発のマイクロドラマがグローバルエンターテインメントの最新の破壊者になる可能性があるとする記事を掲載した。
記事はまず、米大物映画プロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグ氏が立ち上げた短編動画配信サービス「Quibi(クイビ)」が2020年4月のサービス開始からわずか半年で閉鎖に追い込まれたことに触れた上で、それから4年後、マイクロドラマのグローバル市場(中国を除く)規模は年間20億ドル(約2880億円)に達し、25年までに2倍になると見込まれていることを紹介した。
その上で、マイクロドラマについて、韓国発のデジタルマンガ「ウェブトゥーン」と同様に、デジタルネイティブなコンテンツであり、持ち運び可能なモバイルデバイスを使用する視聴者向けに作られたもので、コロナ禍ではテレビやPCに重点を置いたストリーミングサービスが繁栄したが、人々が通勤や旅行を再開するにつれて人気を博すようになったと紹介した。
記事によると、中国はマイクロドラマの世界的リーダーだ。その市場規模は世界の他の国・地域の総和と同等で、23年の総収益は52億ドル(約7488億円)に上り、中国の劇場映画市場の約70%に相当すると報じられている。マイクロドラマは、1話30〜120秒と超短尺の全60〜100話構成で、基本的には単一のシーンだが、SNSユーザーによる短編動画とは異なり、プロが制作したコンテンツだ。しかし、下品な復讐(ふくしゅう)や浮気夫の話ばかりだと懐疑的な声も聞かれる。
記事によると、制作サイクルは2〜3カ月と短く、1話当たりの制作費は数千ドル程度だ。つまり、参入障壁が比較的低く、非伝統的なメディア企業が既存の企業と競い合っている。関係者によると「制作はわずか2カ月で完了し、投資回収は60日以内に完了するケースもあり、まるでSFの世界のよう」で、実際、配信とマーケティングのコストは制作費を大きく上回る可能性がある。収益1ドル(約144円)につき約80%が広告とユーザー獲得に、10%がコンテンツ制作に、10%がプラットフォームの運営に使用される。このビジネスモデルは東アジアや東南アジアの一部、米国で模倣されていて、中国企業が輸出している兆候がある。関係者によると「この業界独自の制作、マーケティング、運用アプローチは、従来のコンテンツ制作の常識に挑戦するもので、成功の鍵は、洗練されたデータポイントと大衆の感情を捉えることであり、番組の収益化には継続的な反復が欠かせない」という。(翻訳・編集/柳川)