米国がユネスコ脱退へ、中国メディアは「5億ドル未払い」を強調、ネットでは「国連からも脱退を」の声

10月13日(金)11時50分 Record China

米国がユネスコからの脱退を表明した。日本では「反イスラエル的」とした米国の主張が注目されたが、中国メディアは国際政治との関わりにはあまり触れずに「拠出金5億ドルが未払い」を強調している。写真は国連本部ビル。

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米国とイスラエルは12日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から脱退すると表明した。日本での報道は米国が理由として、ユネスコの「反イスラエル的姿勢」を挙げたことに注目しているが、中国メディアは「拠出金5億ドル(約561億円)が未払い」を強調し、国際政治との関わりにはあまり触れない報道が多い。ユーザーからは「国連から脱退を」などと、反米的な書き込みが寄せられている。

中国メディアの中新網、環球網、新浪網などは見出しで「未払金5億ドル」と紹介。新華社系の新華網は文中で「未払金5億ドル」に触れた。

米国は、レーガン政権時の1984年にも「不適切な財政管理」や「反米的方針」を理由にユネスコを脱退し、ブッシュ政権時の2003年に復帰している。中国メディアも前回の脱退を紹介したが、中新網、環球網、新浪網は脱退の理由に触れず、新華網は「レーガン政権はユネスコの腐敗と管理の混乱を批判して脱退」とだけ紹介し、米国が主張したユネスコの「反米的方針」には触れていない。

米国はまた、2011年にユネスコがパレスチナの正式加盟を承認したことを受け、「国際的に独立が承認されていない団体が正式加盟する国連機関への分担金拠出はできない」との国内法を理由に、ユネスコへの分担金支払いを停止した。

中国メディアは、米国は年間8000万ドル(約90億円)の拠出金を支払わなくなったため、未払金は5万ドルに達したなどと紹介したが、パレスチナ問題との関連には触れていない。中国メディアの意図は不明だが、米国とユネスコの軋轢(あつれき)と外交問題の関係について言及していないことが目立つ。なお、中国は1988年にパレスチナを国家承認している。

ユネスコに関しては、中国が2014年に南京事件と従軍慰安婦に関する資料を世界記憶遺産への登録を申請したことが、国際的な政治問題になった。ユネスコは2015年10月に南京事件の登録を承認し、日本は2016年の分担金支払いを一時留保した。日本の一部メディアは、米国のユネスコ脱退を紹介する記事で「南京事件登録」にも絡めて、ユネスコの政治的偏向の問題を取り上げたが、中国メディアは触れていない。

中国は外交面において、国連の安保理常任理事国であることを大いに利用しており、国内向けにも国連および国連関係機関の権威を強調している。そのため米国のユネスコ脱退を受け、中国のネットユーザーからは米国に反発する声が上がっている。環球網が同問題を紹介した記事に対するコメントでは「国連からも脱退を」「5億ドルを支払ってからにせよ」などに、「いいね」が多く集まっている。(翻訳・編集/如月隼人)

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