父が作ったパンケーキでアナフィラキシーショック 9歳少女が死亡(英)

10月15日(日)19時54分 Techinsight

アナフィラキシーショックで死亡した9歳少女(画像は『JustGiving 2017年6月26日付「We’ve raised £14,062 to help raise funds for allergy care and research in the UK.」』のスクリーンショット)

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複数の食物アレルギーを持つ我が子の食生活に、普段から気を配っていた両親。ところが思わぬ悲劇が一家を襲った。父親が作ったデイリーフリー(乳製品不使用)のパンケーキを一口食べた途端、9歳少女はアナフィラキシーショックを起こし、その5日後に短い人生を終えてしまったのである。『The Independent』『Mirror』『Metro』などが伝えた。

ロンドン北西部ハーロウに住む一家に悲劇が起こったのは、今年5月20日のことだった。ナイニカ・ティークちゃん(9歳)は週1回の乗馬レッスンを終えお腹を空かせていたため、父ヴィノッドさん(41歳)がデイリーフリーのパンケーキを作った。

ナイニカちゃんは、乳児の頃から複数の食物アレルギーを抱えていた。母乳で育ってきたナイニカちゃんは生後6か月の時、ヒンドゥー教のお食い初め儀式でスプーンに数杯のライスミルクを飲まされると体全体が腫れあがり湿疹ができたため、両親はノッティンガムのクイーンズ・メディカルセンター病院へ連れて行った。

検査の結果、両親は娘が深刻な乳製品アレルギー体質であることを知った。アレルギーの検査の一つ、プリック(乱刺)テストでは卵や大豆にもアレルギーがあることが判明し、ナイニカちゃんが3歳の時には喘息とも診断されたことから、両親は普段の食生活には十分気を配っていた。

しかしナイニカちゃんは2015年に偶然、学校でミルクチョコレートを口にし激しいアレルギー反応を起こした。それ以降ナイニカちゃんにはエピペンが処方されたが、正しい使用法についてのトレーニングなどはなかったと母ラクシュミさん(37歳)は語っている。

「エピペンを処方された時、主人がいなかったので私と娘だけで取り扱い方法の説明を聞きましたが、1回目で効かなければ2回目を注射することが可能などといった詳細も知らされず、使い方のトレーニングも受けなかったのです。主人が娘に使った時には説明書を読んでなんとか正しく注射しましたが、間違った使い方をすれば大変なことになりかねません。」

5月20日、ナイニカちゃんはパンケーキと一緒にブルーベリーも口にしていた。これまでブルーベリーを食べたことがなかったが、この日は食べたいと言ったためヴィノッドさんがスライスしてパンケーキにのせたのだという。

その後、ナイニカちゃんはアナフィラキシーショックを起こした。パニックになった父は抗アレルギー薬と喘息の時に使用する吸入器を与えたものの激しい発作は治まらず、999に通報しエピペンを1度だけ注射した。救急隊員が駆け付けるまでわずか5〜7分の間だったそうだが、娘にマウス・トゥ・マウスをしたりと父親は救助に必死になっていたようだ。

「娘を助けてくれ!」

夫からの電話で職場から慌てて帰宅したラクシュミさんが見たのは、蒼白状態で床に倒れていた娘の姿だった。ノースウィック病院へ搬送されたナイニカちゃんに医師らはICUで蘇生を試みたが、1時間後に脈が戻るも長時間酸素不足となってしまっていたために脳が相当なダメージを受けていた。

ナイニカちゃんはパディントンのセント・メアリーズ病院に搬送されたが5月22日、脳死を宣告された。心臓は動いていたが、それから3日後に苦渋の決断を強いられた両親は、ナイニカちゃんに寄り添い最後のお別れのキスをした後に生命維持装置が外された。

ナイニカちゃんが息を引き取る前に行われたプリックテストで、ブラックベリーに軽度のアレルギーがあることが判明した。しかし医師は「ベリー類だけが死因ではない。パンケーキに乳製品に関わる何かが含まれていたのだろう」と推測している。だがラクシュミさんは「家に乳製品は一切置いていませんし、デイリーフリーと謳っていたパンケーキの材料に、アレルギー反応を起こす何かが含まれていたのかどうかということもわかりません。何が原因だったのかは今でもわからないままなんです」と述べている。

ナイニカちゃんの死後、両親は寄付金サイト『JustGiving』にアカウントを設置し、アレルギー研究のための基金を呼び掛けた。ラクシュミさんは「娘の死を通して、世間の親たちが子供のアレルギーと葛藤している事実を知りました。私たちは娘のアレルギーがこれほど深刻であることを知らず、今となっては今回の悲劇を防ぐことができたのかどうかはわかりませんが、アレルギーの子供を持つ親たちが気軽にアドバイスを受けられる場所を知っておくことはとても大切です。そうすれば私たちと同じような悲劇に遭わずに済むようになるのではないでしょうか」と胸のうちを明かす。

イギリスでは3人に1人の子供がなんらかのアレルギー疾患を抱えているとされており、寄付金アカウントは世の親たちからの注目を浴びたようだ。現在では、目標額の4,000ポンド(約60万円)をはるかに超えた14,000ポンド(約208万円)以上の寄付が集まっており、「あなたのサポートが注意喚起を促し、子供たちの命を救う可能性に繋がるのです」と綴っている。

このニュースを知った人たちからは「なんという悲劇」「お父さん、娘を救おうと必死だったことでしょう。罪悪感もあるかもしれない。でもお父さんはできる限りのことをしたと思う」「こんなことが起こるなんてまさに悪夢。子供のアレルギーは複雑だから世間ももっと様々なアレルギーに関して詳細を知るべきだ」といった声があがっている。

画像は『JustGiving 2017年6月26日付「We’ve raised £14,062 to help raise funds for allergy care and research in the UK.」』のスクリーンショット

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