「反日」文在寅の変節を韓国メディアはどう報じたか

11月6日(水)6時0分 JBpress

11月4日、タイで開かれたASEAN+3サミットを前に言葉を交わす文在寅大統領と安倍晋三首相(提供:South Korea Presidential Blue House/AP/アフロ)

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 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が日本との関係改善を試みているようだ。文在寅大統領は昭仁天皇の即位式を機に訪日した李洛淵(イ・ナクヨン)首相に日韓首脳会談を要請する親書を伝え、文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は、日本メディアとのインタビューで、徴用工の問題に対する「日韓企業と日韓国民の寄付で財団を設立する案」を新たに言及するなど、日本との関係改善に向けた糸口を見つけるのに余念がない。

 このような中の4日、バンコクで開かれているアセアン+3首脳会議で、文在寅大統領と安倍首相の即席会合が行われたことで、韓国内では日韓間の関係改善の突破口が設けられたという見方が台頭している。


「雪解け」期待をにじませる韓国メディア

 まず、大統領府は4日の両国首脳の対話を「単独歓談」という異例的な表現を使って、「非常に友好的で真剣な雰囲気の中で歓談を続けた」と雰囲気を伝えた。

 大統領府の発表を伝える韓国メディアも、今回の対話に大きな意味を与えるなど、日韓関係の改善に対する性急な展望を掲載した。

「隣席に安倍氏の手を導いた文大統領、11分の“即席歓談”で冷ややかな雰囲気が反転」(連合ニュース)

「文大統領、安倍首相と“11分のサプライズ歓談”・・・関係反転か?」(KBS)

「GSOMIA終了前に文—安倍の“サプライズ歓談”・・・トップダウン解決を期待」(毎日経済新聞)

「李首相特使⇒親書⇒電撃会談・・・韓日首脳会談に近づいた」(ニューシース)

 一方、日本のメディアは、韓国大統領府のブリーフィングとはかなり違うニュアンスで状況を伝えている。

 韓国の中央日報は「対話ムードを強調した韓国の発表とは違い、日本メディアは“安倍総理が断固たる立場を伝えた”という点に重点を置いて報道した」と評価した。

 中央日報によると、西村明宏官房副長官は記者団との質疑応答で、大統領府の発表内容を大幅に修正した。例えば、「文大統領が高官級協議を行うよう提案した」という部分は「外交当局者間の協議」で、「安倍総理が可能なすべての方法を通じて、解決策を模索するよう答えた」という部分は「従来と同様の方法」と発表しており、会談時間も、大統領府が主張した11分ではなく、「約10分」と発表した。翌日には菅義偉官房長官も、面談が友好的な雰囲気で行われたという発表について、「韓国側の説明は韓国側に聞いてほしい」と、コメントを控えている。


「11分間の歓談」をトップニュースで

 しかし、韓国側と相反する日本側の冷静な反応にもかかわらず、韓国の主要メディアは、翌日の5日にも、「11分間の歓談」を1面トップニュースで報じた。特に政権寄りのメディアの多くは社説を通じてその意味を高く評価した。

<11分間の短い会合だったが、この1年間、両国関係が悪化の一途をたどっている状況から考えると、歓談の意味は小さくない>

<韓日関係の悪化の背景に両国首脳間の不信があるうえ、同問題が首脳間の対話でなくては解決できないという点から、信頼回復の扉を開いたとも見ることができる>(以上、韓国日報の社説)

<文大統領と安倍総理が高官級協議を含め、あらゆる方法を動員した問題解決の意志を示唆しただけに、「トップダウン」方式で両国関係が改善される可能性も排除できない>

<両国は、状況悪化を阻止するための実質的な関係改善を成し遂げなければならない。また、そうしてこそ、北朝鮮のミサイル挑発と核問題に対応するためにも、来る22日が終了期限になっているGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)に対する韓国政府の再検討が行われることができる>

<日本政府も、少なくとも徴用工問題を協議する間は、韓国企業への輸出規制を取り下げなければならない>(以上、ソウル新聞の社説)

<短い会談だったが、両首脳が手を取り合い、「対話を通じた解決策」の模索に共感したことは、今の両国関係に照らしてみると意味が大きい>

<歴史問題で認識の隔たりを縮めることが難しければ、まず日本は貿易報復措置を、韓国は韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)終了決定を撤回することも一つの案だ。両国政府は直ちに葛藤解消のための実践的行動に出なければならない>(以上、ハンギョレ新聞の社説)


保守メディアは文政権のこれまでの「反日路線」を痛烈批判

 一方、保守メディアは日本側の冷淡な態度に注目しながら、GSOMIAの終了を控えて米国からの「撤回圧力」で苦境に立たされた文在寅政権の外交失敗を強く批判した。

 朝鮮日報は、反日を煽ってきた文政権の無責任な態度を痛烈に批判した。

<わずか数日前まで外交努力を求める人たちを「親日派」と見なし、反日扇動の先頭に立っていたこの政権が、突然日本との対話にとらわれている姿は多くの国民を戸惑わせる>

<(文政権が)このように苦しい立場に立たされたのは、曺国氏に対する国民の怒りを逸らそうとGSOMIAを破棄したことによるものだ>

<大統領府は今、GSOMIAを延長するための小さな名分でも得なければならない状況だ。そのためには韓日会談が必要だろうが、日本は冷淡だ>

<大統領から大統領府の参謀、与党までが「李舜臣将軍の12隻の船」「義兵を起こすに値する事案」「東京オリンピックボイコット」「竹やり歌」を競って叫んだが、今、あの人たちはどこへ行ったのか。責任を負う人は一人もいない>

 文化日報も、「GSOMIA破棄は文政権の惨憺たる外交失敗」と指摘した。

<GSOMIA破棄を国益に基づいた決定だと主張してきた文在寅政府だが、終了期限が迫ると、混乱する姿を見せている>

<文政府がGSOMIAカードで反日感情を煽り、日本に圧力をかけ、輸出規制を緩和すると判断したことこそが、惨憺たる外交の失敗だ>

<今からでも文大統領は1965年体制の遵守および徴用の判決に対して、韓国内での解決を明らかにし、GSOMIA葛藤を源根本から解消しなければならない>

 しかし、日本の対韓輸出規制が強化された今年の7月以降、「二度と日本に負けない」と公言するなど、克日(を装った反日)を強調してきた文在寅政権と与党が、日本側から輸出規制に対する譲歩を取りつけることができないままGSOMIA復帰を決定するとは思えない。それは、まさに日本に対する敗北宣言であり、総選挙を6カ月後に控えた文政権にとっては自殺行為に相違ないからだ。

 結局、GSOMIA復帰を高圧的に要求する米国の攻勢の中でも、国内政治を優先する文政権はGSOMIA破棄を決定する可能性が高い。対日、対米強硬派が勢力を強めた大統領府が韓国外交の舵を握っている限り、韓国の孤立はさらに加速化していくだろう。

筆者:李 正宣

JBpress

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