乳児にコーヒー浴びせた中国人、現地で怒りの声―豪州
2024年11月10日(日)14時0分 Record China
2024年11月8日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、オーストラリア・クイーンズランド州ブリスベンで中国人留学生の男が乳児にホットコーヒーを浴びせかけた事件について、同国内で極右勢力が過激な抗議デモを行ったことを報じた。
記事は、ブリスベンの公園で8月27日、母親と一緒にピクニックをしていた生後9カ月の男児に中国人の男が高温のコーヒーを浴びせかけて逃走する事件が発生し、男児が重度のやけどを負ったと紹介。容疑者の男は国外逃亡したと伝えた。
その上で、オーストラリア・ビクトリア州の警察当局が7日「民族主義的テロ事件」に関わったとして4人の男を逮捕したことを明らかにしたと伝えた。そして、現地メディアの報道としてこのうち31歳のオーストラリア人の男が「乳児襲撃事件」に対する過激なデモ活動に関与した疑いがあると紹介している。
記事は8月に事件が起きて2カ月が経過した今もなお影響が続いているとし、オーストラリアの右翼系メディアが「メルボルンの中国領事館付近で10月26日、数十人の抗議者が集まって中国の国旗や習近平(シー・ジンピン)国家主席の肖像を焼くとともに、高温のコーヒーを乳児に浴びせた男の身柄引き渡しを中国に要求するデモ活動を行った」と報じたことを紹介。デモ参加者が「白人の反撃だ」「勝利万歳」「鮮血と栄誉」などといった扇動的なシュプレヒコールをあげていたとの情報とともに、現地最大級の中国語メディアが同29日にデモに対し「中国人社会の主流が一斉に非難の声をあげた」と報じたことを伝えた。
記事は、容疑者の男についてオーストラリア警察がすでに指名手配を出しているものの、中国の司法機関は逮捕する動きを見せていないとし、両国間の司法協力や容疑者引き渡し問題が再び浮き彫りになったと指摘。両国間では2007年9月に犯罪人引き渡しで合意を形成したものの、両国間の関係が冷え込み始めた17年3月にターンブル首相が突然「中国は人権状況が悪く、引き渡し条約が中国政府に濫用される恐れがあると多くの国会議員が認識している」ことを理由に、中国との犯罪人引渡し条約法案を撤回したことを紹介した上で、本件について過去の事例から「個別事案」としてある程度の司法協力が成り立つ可能性はあるとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)