カリフォルニア史上最悪の山火事にトランプがまた失言、消防士が猛反発

11月12日(月)17時0分 ニューズウィーク日本版

<筋違いで冷淡なトランプの発言に、命懸けで山火事と戦う消防士はがっかり>

カリフォルニア州で11月8日に発生した大規模な山火事は11日までに死者が29人に達し、1933年のグリフィスパーク火災を超えて同州では史上最悪の山火事となった。当局によれば捜索はまだ初期段階にあり、犠牲者がさらに増える可能性もあるという。

山火事はこれまでに約450平方キロメートルと6713軒の建物を焼いてまだ延焼している。25万人が避難し、キム・カーダシアンやマーク・ハミル、レディ・ガガといった有名人も避難したことをツイートで伝えている。

そんな中、トランプ大統領のコメントが消防士の激しい反発を招いている。

トランプは10日、カリフォルニア州の山火事の原因は森林管理の失敗にあるとツイートした。

「カリフォルニアでこのように大規模で死者が出て金のかかる森林火災が起きる理由は、森林管理が悪い以外にありえない。毎年、多額の金と多くの命が無駄になるのは、森林管理がまずいからだ。改善しないなら連邦政府から(州への)支払いを止める!」。

ちなみに6日の中間選挙でトランプ率いる共和党はカリフォルニア州で大敗を喫しているので、この冷淡な発言はその意趣返しかもしれない。

現場に来て事実を学べ! と怒りの声

これを受けて地元のパサデナ消防士組合のスコット・オースティン委員長はトランプに対し、カリフォルニアの山火事について「事実を学ぶ」よう呼びかけるとともに、火事の原因がずさんな森林管理にあるとするトランプの見方を一蹴した。

「大統領、恐れながらあなたは間違っている。南カリフォルニアの山火事は都市との境界で起きた火災であり、森林管理とは関係がない」と、オースティンは消防士組合のアカウントからツイートした。「南カリフォルニアに来て事実を学び、被害者に手を差し伸べよ」

他にも少なくとも2つの消防士団体が批判の声を上げている。カリフォルニア・プロフェッショナル消防士組合(CPF)と国際消防士組合(IAFF)のトップはそれぞれ11日に声明を出し、トランプの発言を非難した。

「危機の時に資金カットで脅すような愚かな思いつきは、目の前の災害と命懸けの消防士の仕事に対するおそろしい無理解を示している」と、IAFFのハロルド・シェイトバーガー委員長は述べた。IAFFはアメリカとカナダでフルタイムで勤務する消防士や救急医療サービス要員の組合だ。



シェイトバーガーはさらに、トランプの発言は「無責任で侮辱的だ」と述べた。

また、CPFのブライアン・ライス委員長はトランプ発言について「情報不足でタイミングも悪く、恥ずべきもの」だと述べた。「大統領は今回の大変な火災の被災者を狙ってワンパターンの政治的脅しをかけることを選んだ」

「大統領には非難合戦や犯人捜しではなく、言葉と行動で支援を行うよう求めたい」とライスは述べた。「(犠牲者の)家族は嘆き悲しみ、家を失った人は数多く、25万人ものアメリカ人が避難を余儀なくされている」

まずいと悟ったトランプはその後、言い訳がましいツイートをした。「われわれの心は火事と闘っている人々、避難した5万2000人、そして亡くなった11人(注:数字はそれぞれツイート時点のもの)の家族とともにある。被害は壊滅的だ。皆さんに神の祝福がありますように」

山火事の原因はまだ明らかになっていない。だが直前に火災が発生した場所の近くで停電が起き、送電塔の破損が確認されていることから、消防は電気設備のトラブルが関係した可能性も含めて調査している。

(翻訳:村井裕美)


ドニカ・ファイファー

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