ネット時代、デジタル遺産をどう処理すればいいか—中国メディア

11月23日(土)23時20分 Record China

最近、1990年代生まれのeスポーツ選手がバラエティー番組の中で自分の遺言状を作成し、アリペイやゲームのアカウントといったバーチャル資産を書き込んだことが注目を集めた。資料写真。

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最近、90後(1990年代生まれ)のエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)の選手が、バラエティー番組の中で自分の遺言状を作成し、支付宝(アリペイ)やゲームのアカウントといったバーチャル資産を書き込んだことが注目を集めた。工人日報が伝えた。

遺言状サービスを提供する中華遺嘱庫のデータをみると、2019年8月末現在、90後で遺言状を作成した人は236人おり、最年少は18歳だという。90後の遺産は現金預金とバーチャル資産が中心で、バーチャル資産には支付宝、仮想通貨、ゲームのアカウントなどが含まれ、相続人は両親というケースがほとんどだ。

第44回「中国インターネット発展状況統計報告」によると、19年6月末現在、中国のネットユーザーは8億5400万人の規模に達した。個人のアカウント、電子メールなど大量のデータ記録は所有者の死後どうなるのだろうか。ネット時代にあって、デジタル遺産をどう処理すればいいだろうか。

■デジタル遺産とは何か?遺言状に書けるのはどれ?

すでに2003年に、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が「デジタル文化遺産保存憲章」の中でデジタル遺産を次のように明確に定義した。「デジタル遺産は、人類が有する特有な知識と表現から成る。デジタル遺産は、文化、教育、学術、行政に関する情報にだけでなく、技術、法律、医学の分野などでデジタル形式により作成された様々の情報または既存のアナログよりデジタル方式に転換されたものを包含する」。

学会では一般的に、デジタル遺産は物質類と精神類の2種類に分けられるとされる。物質類のデジタル遺産とは資産と直接関わりがあるものを指し、たとえば支付宝の残高、ビットコインなどの仮想通貨などが挙げられる。精神類のデジタル遺産とはSNSのアカウント、個人の記したテキストなど、ユーザーが多くの時間と労力を費やして形成されたバーチャル資産のことで、ユーザーの日常生活における心のふるさとであり、これを相続した親族にとっても精神的ななぐさめを得られるものとなる。

■デジタル遺産の処理は事業者次第

「民法」総則第127条は、「法律にデータ、ネットワーク上のバーチャル資産の保護について規定があるものは、その規定に従うこととする」とある。

関連の法律・情勢を精読してわかったことは、「物権法」、「継承法」(相続法)、関連の説明はすべて有体物のみを対象として規定を設けており、デジタル遺産に含まれる可能性のある無体物の相続については根拠となる記述が見つからないということだ。

中国人民大学商法研究所の劉俊海(リウ・ジュンハイ)所長は、「中国は今、デジタル遺産に対して相対的に保守的な態度を取っており、データが法律の保護を受けるべきであることは確認されているが、データの独立した民事上の権利は是認されていない。中国の現行の相続法には実物資産の相続についての規定しかなく、ネット上のバーチャル資産の相続問題についての規定はなく、このためデジタル遺産の相続行為が実質的な意味において実現困難になっており、今後の相続法の改正が待たれる状況だ」と述べた。

明確な法律の規定がないことから、現在のデジタル遺産の処理方法は基本的にインターネット運営プラットフォーム事業者任せの状態だ。将来のトラブルの種になる可能性もある。

学者は次のように提起する。「通信、SNSなどには個人のプライバシー、ユーザーの資産、ユーザーの人格といったさまざまな属性が備わることから、その背後にある相続問題を考える時にはよくよく慎重に取り組まなければならない」。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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