親米アラブ、批判抑制=エルサレム問題でサウジなど

12月8日(金)14時53分 時事通信

 【カイロ時事】トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めた決定に対し、サウジアラビアなど親米アラブ諸国の抑制的な対応が目立っている。決定を非難する声明は出したものの、アラブ世界の一部では「反発の度合いが不十分」と不満がくすぶる。軍事支援など米国との深い結び付きが自らの安定と存続の要となっており、厳しい対米批判をしにくい事情がある。
 トランプ氏の6日の発表後、サウジ政府は7日未明に国営通信を通じ「無責任で不当な措置の深刻な結果を警告してきたが、そうした措置の実施を非難し、遺憾に思う」と表明した。他の中東各国が演説後間もなく非難したのに比べ、イスラム教の2聖地を抱える盟主としては異例の遅さだ。
 エジプトも「イスラムの人々の感情に火を付ける」(外務省声明)と中東和平プロセスや地域の安定への悪影響に懸念を示した。だが、パレスチナ問題解決を重視してきた経緯を踏まえれば、声明は抑制的と受け止められている。
 対照的に、米国やイスラエル、サウジと敵対するイランは「挑発的で愚かな決定だ。(エルサレムで)シオニスト(イスラエル)は住民を追い出し、土地を占領し、人口構造を変えようとユダヤ化してきた」と痛烈に批判。米国との関係が揺らぐトルコも、「パレスチナ問題は、東エルサレムを首都とするパレスチナ独立主権国家を通じてのみ解決できる。米国がこの事実を無視するのは受け入れられない」と論難した。
 サウジ、エジプト両国に共通するのは、オバマ前政権時代にぎくしゃくしていた対米関係がトランプ政権下で改善に転じたことだ。トランプ氏は就任後初の外遊先として5月にサウジを訪れ、巨額の武器輸出で合意。エジプトとも軍事援助などを通じて関係修復が進む。アルアハラム政治戦略研究所のサイド・オカシャ研究員は「サウジとエジプトは安全保障と軍事的利益が米国と一致しており、(エルサレム問題の)影響を避けたいのが本音」とみる。 

[時事通信社]

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