引退の王岐山が常務委員会に出席 来春には副主席就任か

12月10日(日)7時0分 NEWSポストセブン

オブザーバーとして復活

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 中国の反腐敗運動の中心的な指導者だった王岐山・元中国共産党中央規律検査委員会書記が平党員の身分で、党最高決定機関である党中央政治局常務委員会に出席していたことが明らかになった。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が「独自ネタ」として報じた。


 王氏は来年3月の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、国家副主席に就任するとみられている。党最高幹部である同常務委員から引退後、名誉職とはいえ、国家副主席を務めるのは極めて異例。


 王氏は習近平国家主席とは兄弟以上の親密な関係だが、1980年代から90年代にかけてのトウ小平時代に大きな権勢をふるった「長老支配」をほうふつとさせるだけに、「習氏による権力の私物化」との批判が出ている。


 王氏は今年10月の第19回党大会で、「68歳以上は引退」という党の内規に従って、同常務委員を辞任し、平党員になった。党大会以前には、習氏が年齢制限に関わらず、王氏の常務委員留任を強く主張したが、厳しい汚職摘発を推進した王氏に対する党内の反発には、さすがの習氏も抗しきれなかったという事情がある。


 しかし、習氏は王氏の常務委員辞任の条件として、王氏が常務委員会に表決権なしのオブザーバーの資格で出席できることを求め、党内で了承されたという。これにより、王氏は11月下旬に開かれた常務委員会に出席した。


 中国共産党員は現時点で約9000万人にも達しており、平党員に戻った王氏が常務委員会に出席できることとなれば、9000万人の党員が常務委参加も可能になり、極めて異例だ。


 これは歴史的に例がある。1980年代には常務委員や党政治局員の経験者が構成員となった党中央顧問委員会が創設され、重要な問題を討議する際には、顧問委メンバーが常務委員会に出席し、オブザーバーとして、意見を開陳することができたのだ。


 当時の顧問委メンバーは常務委員よりも経験豊富で年齢も上だったことから、常務委メンバーは顧問委の意見を無視できず、事実上、常務委を乗っ取られた形となった。この弊害から、顧問委を創設したトウ小平自身が同委を解散したという経緯がある。


 今回も王氏が常務委に出席するとなれば、トウ小平時代同様、他の若い常務委員は王氏に気兼ねすることは必定。顧問委と同じ弊害が生じることになる。上海政法学院の陳道銀・副教授は同紙の取材に応じて、「国家副主席に選出される見通しの王岐山氏は最高指導部メンバーでないにもかかわらず、党長老や習氏の顧問という立場で、政治的に大きな影響力を発揮していくことになろう」と指摘している。

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