韓国・尹錫悦大統領の２度目の弾劾案採決へ…与党８人賛成なら可決、さらに増加の可能性も

尹大統領＝ロイター※顔写真　※１４日付朝刊１面顔Ｐと同じ写真です

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　【ソウル＝依田和彩】韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領に対する２回目の弾劾（だんがい）訴追案が１４日午後、国会本会議で採決される。保守系与党「国民の力」の議員８人が賛成に回ると訴追案は可決され、尹氏は職務停止となる。同党は１４日午前、国会内で議員総会を開き、採決に関する党の方針の協議を始めた。

　韓国・聯合ニュースによると、韓東勲（ハンドンフン）党代表は議員総会に先立ち、「私の意思は国民と議員たちに既に明確に申し上げた」と記者団に話した。韓氏は、戒厳令を宣布した尹氏に対する訴追案に党として賛成すべきだとの姿勢だ。

　採決は午後４時から行われる予定で、国会（定数３００）の在籍議員の３分の２以上の賛成で訴追案は可決される。可決には野党や無所属など計１９２人に加え、与党議員８人以上が賛成する必要があり、韓氏に近い議員を中心に１４日時点で７人が訴追案への賛意を表明している。

　聯合ニュースによると、採決に参加する意向を持っている与党議員は１３日時点で２０人超に上る。投票は無記名で行われるため、賛成票はさらに増える可能性もある。

　ただ、尹氏に近い権性東（クォンソンドン）院内代表は、弾劾反対が党の方針だとの姿勢を示しており、議員総会でも同様の考えを示すとみられる。党としての意見集約は困難な状況だ。

　大統領が弾劾訴追されれば、韓国史上３人目となる。７日に行われた１回目の訴追案採決では、与党議員１０８人の大半が退席し、採決の成立に必要な２００人に満たなかったことから、訴追案は廃案となった。

　一方、韓国警察は１３日夜、趙志浩（チョジホ）警察庁長官と金峰埴（キムボンシク）ソウル警察庁長官を内乱容疑で正式に逮捕した。２人は１１日、同容疑で緊急逮捕されていた。韓国メディアによると、２人は戒厳令宣布前に尹氏から国会など管理下に置く施設をあらかじめ伝えられたという。２人の逮捕で尹氏への警察の捜査は加速する見通しだ。