北朝鮮軍の元将校、パキスタンの北朝鮮大使館前で抗議活動

2022年12月23日(金)6時1分 デイリーNKジャパン

朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元軍官(将校)が、パキスタンの首都、イスラマバードにある北朝鮮大使館の前で抗議活動を行った。


2005年に脱北、現在は英国で国際脱北民の事務総長を勤めるキム・ジュイル氏は19日、イスラマバードの北朝鮮大使館前と、ケンタウロスモール前で、横断幕を持ち、北朝鮮の人権侵害を糾弾する抗議活動を行ったと、パキスタンの英字紙パキスタン・トゥデイが報じた。


金氏は同紙とのインタビューで、自身の出身地は核実験場で世界的に知られた咸鏡北道(ハムギョンブクト)の吉州(キルチュ)であると明かした。また20代のころ、軍官として朝鮮人民軍で服務していたが、教科書で習った社会主義と現実とのギャップから、全体主義体制に疑問を抱くようになり、脱北を決心したと述べた。


彼は26歳だった2005年、国境地域に派遣される列車から飛び降り、国境を流れる豆満江を200メートル泳いで中国にたどり着いて脱北した。食堂での皿洗いの仕事で資金を稼いだ彼は、ベトナム、カンボジアを経て、2007年に韓国に入国した。独裁体制下で苦しむ人々を救いたいと決心し、英国に渡り、活動を続けている。


パキスタンを訪れた理由について彼は、パキスタンは南北朝鮮と友好関係を持つ民主主義国家であり、朝鮮半島における平和構築に寄与うる存在であることを挙げ、北朝鮮も同国の忠告には耳を貸すはずだと思ったと述べた。またパキスタン政府に対しては北朝鮮に対し、パキスタンのように民主主義体制を構築し、人々の基本的人権を守るよう要求してほしいと述べた。


キム氏は、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材にも応じ、北朝鮮に核技術を伝えたのはパキスタンで核開発に携わったアブドゥル・カディール・カーン博士でることに言及。同国政府は道義的責任を負って、北朝鮮の非核化に乗り出すように求めると述べた。

デイリーNKジャパン

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