苦難なくして、栄光は果たせない - ファーウェイ グオ・ピン輪番会長

1月7日(月)17時4分 マイナビニュース

ファーウェイ 輪番会長兼取締役副会長 郭平(グオ・ピン)氏は、2019年の年頭所感を発表した。

「困難が大なれば大なるほど栄光は大なり」 -- 2018年は、まさに哲学者キケロのこの名言を実証する1年となりました。この平穏ならざる1年において、私たちは決して前へ進む歩みを止めることなく、2018年の売上高は前年比21%増の1,085億米ドル(約11兆9,632億円)となる見込みです

当社は世界の大手通信事業者と25件の5G商用契約を締結し、すでに1万以上の5G基地局を世界各地に出荷しています。また、世界で160以上の都市と、フォーチュン・グローバル500にランクインする企業のうち211社に、ファーウェイをデジタル変革のパートナーとしてお選びいただきました。スマートフォンの出荷台数は2億台を超え、PCビジネスやIoTスマートホームエコシステムにおいても喜ばしい発展がありました。「ファーウェイ・クラウド」では18分野で140以上のクラウドサービスを展開し、パートナーとともに世界22地域・37エリアのお客様にサービスを提供しています。さらに、AI戦略と、あらゆるシナリオに対応するフルスタックのAIソリューションを発表しました。このソリューションには、世界で初めてあらゆるシナリオのAIに対応する「Ascend」シリーズチップセットと、これに関連する製品およびクラウドサービスが含まれています。

こうした堅調な業績こそ、私たちがお客様からいただく最も直接的なご支持であり、疑いや排斥に対する最も力強い回答でもあります。この場をお借りして、お客様、パートナー企業、一般の皆様の私たちへのご信頼とご支援に御礼申し上げます。また、全世界の従業員の努力と奮闘、そのご家族のサポートとご理解にも感謝いたします。また、たとえ情勢が目まぐるしく変わろうとも、私たちの調達戦略は変わりません。とりわけ米国のサプライヤーに対してもこれまで通りの方針を維持し、揺らぐことなく成功の共有に向けたコラボレーションに取り組んでいきます。

新しい1年には、デジタル化、インテリジェンス化において新たな発展が生まれ、同時により大きな困難と向き合うことになるでしょう。こうした時に向けて、私たちは自ら研鑽を重ね、経営品質を向上し、組織の活力を高めていく必要があります。そして、お客様のニーズを満たし、戦略的リーダーシップを達成するために、果敢に前進していかなければなりません。

2019年、当社は戦略の焦点を絞り、強靭なビジネス構造を確立します。製品ポートフォリオの最適化に向けて、市場競争力や魅力のある製品のみを厳選し、エンドツーエンドで戦略的なリーダーシップを実現していきます。長年にわたって競争力に欠ける一部の製品は開発を縮小し、人員を戦略的商機のある分野に移していきます。最大限にシンプルなネットワークアーキテクチャと取引モデル、最上級のサイバーセキュリティとプライバシー保護を実現し、最高の製品とサービスを提供することができれば、どの市場からも駆逐されることはありません。2018年には、通信事業者向けソフトウェアおよびコアネットワーク事業のポートフォリオの最適化に成功し、一部の主要な担当者が同事業に残って収益を向上させる一方、その他の優れた従業員は異なる分野に移り、会社の戦略の発展を支えました。彼らは組織変革、事業変革のロールモデルです。「目立たない英雄」もまた、偉大な英雄なのです。

2019年、当社はソフトウェア開発能力を全面的に向上し、信頼性と品質の高い製品を提供します。当社の製品とソリューションはすでに世界170か国以上のお客様から信頼を得ており、サイバーセキュリティにおいても優れた実績を残し続けています。ファーウェイはこれまでも、これからも、セイバーセキュリティの脅威となることは決してありません。今日、ICT製品の信頼性はお客様にとって最も重要な関心事であり、優れたソフトウェア開発能力とその実行は製品の信頼性の基礎となります。私たちは自らに最高の基準を課し、サイバーセキュリティとプライバシー保護を会社の最優先事項としています。今後5年をかけて、ソフトウェア開発能力を体系的に向上させることで、すべての製品とソリューションにおいて開発段階から信頼と品質を組み込んでいきます。

ビジネスの最前線にいる組織を活性化し、作物を育て土壌をより肥沃にすることに注力します。各国・地域オフィスでのパイロットプログラムを通じ、社内外のコンプライアンスを徹底し、財務指標を満たしながら持続可能な成長を維持するとともに、運転資本を経営の制約に、報酬をインセンティブにすることで、組織の活力を高め、現場のチームの1人あたりの貢献度を高めます。中央集権的なガバナンスのもと、段階的に運営を最適化し、新たな経営モデルを確立していきます。本社は管理をゆるめてビジネスの最前線にいる各国・地域オフィスへの権限委譲を進める一方、予算管理に注力し、各国・地域オフィスが与えられた権限を最大限に活かせるようにします。予算は会社の方針を定めるものであり、意思決定の権限はお客様に最も近いところに委譲されなくてはなりません。本社と各国・地域オフィスとの関係を最適化することで、生産性を向上し、ビジネスの最前線にいる組織と従業員の主体性を高め、貢献度の高い者がより多くの報酬を得てさらに多くの貢献を生むという好循環を実現します。また、グローバルテクニカルサービス、財務、サプライチェーンの各分野では、大量かつ高い頻度で発生する業務にAIを活用して効率を高め、実務上の課題解決に取り組んでいきます。

管理職と専門職が優れた成果を上げられるよう、安定した組織体系を確立します。成功の反対は失敗ではなく、平凡です。私たちは管理職が平凡になり、ひいてはファーウェイが平凡な企業になってしまうのを防がなければなりません。管理職は鋭気に満ちていなければならず、無気力に陥ってはなりません。強いこだわりを持ち、狂気じみた人こそが成功するのです。私たちは今後も世界中から科学者を迎え入れるとともに、専門職のローテーションによる成長を強化していきます。ジェネラリストとスペシャリストをローテーションさせ、試験や評価システムによって基準に満たない者には立ち去ってもらいます。組織体系を整備することによって、安定した、効率と質の高い運営体制を確立します。

個人の業績を改善し、チームの団結力を高めます。個人の業績管理は各自が責任を果たした結果を評価するだけでなく、やる気を引き出し、個人とチーム全体のパフォーマンスと能力の向上につながるものにしなければなりません。責任と結果を重視しながらも、個人のアウトプットばかりを強調するのではなく、お客様への価値創造、仲間のアウトプットへの貢献、仲間のアウトプットを活用した貢献を評価することも重要です。米グーグルのやり方を見習い、強いチームを作っていきます。

献身的に努力する者を大事にし、貢献に対して平等な評価を与えます。一貫した人事方針のもと、多様な業務の特性に合致した報酬体系の確立を目指します。さまざまなタイプのインセンティブを組み合わせ、組織と個人の責任や貢献の結果に見合った報酬体系にすることで、組織と個人がやる気を高めて主体的に業績の向上を追求し、貢献度の高い者がより多くを得られるようにしていきます。報奨金は短期的なインセンティブとなるだけでなく、将来の努力を導くものでなければなりません。豊かな実りをもたらした仕事を即時に評価することに加え、将来に向けて土壌を肥沃にする努力に対しても合理的な報酬を与えるようにします。

「利他」をもって「利己」を実現し、協業を通じて成功を共有し、ビジネスエコシステムの改善に努めます。世界の大国どうしの対抗意識が強まるにつれて、今後のビジネス環境では不確定要素が増す一方です。私たちにはマクロ環境を変えることはできませんが、業界のビジネスエコシステムの改善に向けて地道に努力することはできます。グローバルな事業展開と投資を強化し、現地にしっかりと根ざした貢献を行い、公正な競争の機会を確保していきます。社内外において、政府、メディア、パートナー、サプライヤー、業界の標準化団体などと積極的に交流する場を設け、従業員一人ひとりがファーウェイのコアバリューを伝え、ブランドを体現する役割を果たします。また、欧米諸国で遭遇する課題に対しては、世界各国で異なる価値観を理解した上で、グローバルなマインドセットで解決に臨みます。

重大な局面でこそ冷静さを保ち、法的コンプライアンスの確実性をもって国際政治情勢の不確実性に対応します。グローバル化とは事業を展開するすべての国や地域の法律を遵守することであり、それが世界で生き延び、サービスを提供し、貢献していくための最も重要な基礎となります。経営方針から制度、組織、ビジネスプロセス、企業文化、社員教育などあらゆる領域において、コンプライアンスを業務活動の隅々まで徹底させ、従業員一人ひとりの意識と行動に浸透させる必要があります。その時々の悪しき出来事や挫折によって、世界のリーダーとしての気概を削がれるようなことがあってはなりません。試練のたびに強くなり、きわめて不公平な扱いにも毅然として対応することで、世界の頂点が見えてくるのです

これまで30年間にわたり、私たちは真摯な献身によってお客様にサービスを提供し、お客様やパートナーの皆様とともに、通信技術を研究室の中から都市や辺境の地へと広く普及させ、情報格差の解消に努めてきました。現在、当社の製品は世界で30億以上の人々をつなげています。私たちは人類の文明の進化に大きな足跡を残していると、胸を張って言えるでしょう。

今日、ファーウェイはICT産業における重要なリーダーかつ貢献者として、380以上の業界団体に参加し、これらの団体で300以上の要職を務め、毎年6,000件以上の提案を行っています。無線、光通信、データ通信、スマート端末などの分野では、世界をリードする地位にあります。ファーウェイ製品のない5G市場はスター選手のいないNBA(米プロバスケットボール協会)のようなもので、最高の技術水準を実現することはできません。人工知能やビッグデータ、クラウドコンピューティングといった新技術においても、当社は他社と肩を並べて、先頭集団の1社としてスタートラインに立っています。

ICT産業の未来にはまだ多くの可能性があり、刺激と希望に満ちています。ファーウェイの30年間にわたる蓄積と、従業員一人ひとりの力は、この先必ず大きく花開くことでしょう。デジタル変革が最盛期を迎え、インテリジェント化が本格化していくなか、消費者はより先進的でより信頼性の高いデジタル技術とサービスを期待しています。デジタル化、インテリジェント化は先の長い道のりです。そのために私たちは技術革新を続け、一歩ずつ着実に優れた成果を上げていかなければなりません。

真の偉大さは多くの苦難を乗り越えて生まれるものです。困難や試練によって私たちはより団結を深め、強くなることができます。そして、「あらゆる人、家庭、組織にデジタル化の価値を提供し、すべてがつながったインテリジェントな世界を実現する」というのビジョンとミッションを必ずや実現できるようになるでしょう。

沈みゆく舟のそばを千の帆が通り過ぎ(注: 中唐期の詩人、劉禹錫の詩の一節より。「苦難のあとには新たな好機が訪れる」の意)、風に乗り波をかき分けられるようになる時が必ずやってくる(注: 盛唐期の詩人、李白の詩の一節より)——いかなる困難が立ちはだかろうとも、私たちはひるむことなく邁進し続けていきます。

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