2020年第1四半期のDRAM価格は上昇傾向 - Samsung工場の停電が心理的に影響

1月9日(木)16時14分 マイナビニュース

台湾TrendForceのDRAM市場調査部門であるDRAMeXchangeの最新の分析によると、12月以降のDRAMスポット価格の一貫した上昇と、2019年12月31日に発生したSamsung Electronicsの華城(ファソン)工場の停電は、DRAM市場への供給面では深刻な影響を与えていないものの、需要面では、メモリの購入者に在庫を増やすことへの意欲を高めていることから、2020年第1四半期のDRAM契約価格の予想をこれまでの「ほぼ安定」という見方から「わずかに上昇傾向」に変更し、DRAMの景気回復が予想以上に早く始まったとの見解を示した。

PC向けDRAMに関しては、2020年第2四半期の契約価格をめぐる交渉が現在進行中であるが、TrendForceは、PC メーカーに出荷されるメモリ製品の価格は横ばいまたはわずかに上昇する可能性が高いと予測している。

米国政府による中国からの輸入品に関する関税のつり上げを回避するために、PCメーカー各社は2019年第4四半期にノートPCの米国市場への出荷を急いだ。そうした背景もあり、毎年第1四半期のノートPCの出荷数は、季節的な閑散期にあたるため減少するものだが、2020年第1四半期はその例年よりも落ち込みが大きくなっているという。

一方で、DRAMサプライヤはビット出荷数量を抑制しているため、2020年の総DRAMビット出荷数量の前年比での伸びは13%未満であるとTrendForceでは予想しており、PC/OEMメーカー各社は近い将来、供給側による価格引き上げが行われるのではないかという判断から在庫の積み増しを進めていると言われている。

特にSamsungの華城工場で発生した停電は、心理的に在庫積み増しの切迫感を呼び覚ますできごとであったようで、2020年第1四半期にPCメーカーはDRAMモジュールの安全なレベルの在庫を確保することを念頭に置いて、前四半期と同レベルまたはわずかに高い価格でも受け入れようとしているようであり、DRAMサプライヤーがPCの出荷量の増加に協力するならば、見積もり価格を受け入れる可能性が高いとTrendForceは見ている。

モバイルDRAMに関しては、2020年第1四半期に5G対応スマートフォンに対する消費者の関心は高まりを見せる一方で、5Gチップセットの供給はまだかなり限られており、オフシーズンでもあることを踏まえると、2020年初頭段階での5G関連のメモリ需要はそれほど強くないとTrendForceでは予想しており、以前より、2020年第1四半期のモバイルDRAMとeMCPの契約価格が前四半期比0〜5%の低下と予測していた。ただし、サーバーDRAMおよびグラフィックスDRAM製品は、12月中旬から需要が伸びているため、全体的な価格上昇をリードする存在になると見られているほか、同様にNANDも最近、供給が引き締められ、eMCP製品の価格を下支えしていることから、これらのサーバー/グラフィックスDRAMおよびNANDの価格動向がモバイルDRAM市場にも波及しており、TrendForceでも以前の「わずかに下向き」から「ほぼ安定」に修正している。

なお、停電の影響を受けたSamsung華城工場のDRAMラインでは20/25nmプロセスを用いた特殊用途のDRAMチップが生産されているが、その特殊用途DRAMの契約価格は上昇傾向にあり、今回の停電の影響も踏まえると、当初の予想よりも早く価格が回復する可能性があるという。具体的には、同セグメントの顧客の多くは2019年末に在庫を積極的に積みましてこなかったことから、かなり低い在庫レベルで2020年に突入している一方、DRAMサプライヤの2020年第1四半期における特殊用途DRAMの平均供給充足率は60%未満と推定されることから、第1四半期中から毎月価格が上昇していくものと見られるとしており、特にDDR3ならびにDDR4の2020年代1四半期の契約価格は前四半期比で0〜5%の増加となるものと予想されるという。

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