BIGLOBEトップBIGLOBEニュースBIGLOBE30周年記念サイト

KDDIが「学割天国U18」で“段階制”のデータ定額を打ち出した理由

ITmedia Mobile1月14日(土)6時0分
画像:春商戦は「学割天国」で勝負するau
写真を拡大
春商戦は「学割天国」で勝負するau
 春商戦は携帯電話市場で最大の商戦期だ。ここに向け、KDDIがauの春モデルと学割を発表した。割引以上にデータ容量の追加に重きを置いた2016年に対し、「学割天国」と名付けられたauの学割は“段階制”のデータ定額が最大の特徴。各種条件を満たすと、5分間の通話定額とデータ定額のセットで最低2980円(税別、以下同)からとなり、金額的にもインパクトを出してきた。この学割は、MVNOやY!mobileに対抗し、若年層を獲得しておきたいKDDIの思惑が見え隠れする。

●auスマートパスや家族の契約があれば、最低料金は月額2980円に

 まずは、学割の詳細な内容を見ていこう。1つ目の学割は「学割天国U18」で18歳以下のユーザーが対象。もう1つが、25歳以下が対象の学割で、こちらは「学割天国U25」と呼ばれる。シンプルなのが学割天国U25で、大容量プランの「データ定額20」「データ定額30」が500円引きになる。
 ただし、学割天国U25はあくまでオマケ的な存在。メインともいえるのが、18歳以下のユーザーに向けた学割天国U18だ。学割天国U18最大の特徴は、段階制のデータ定額プラン「U18データ定額20」にある。名称こそ“データ定額20”だが、実際は4段階に料金が分かれており、使ったデータ量に応じて変動する。3GBまでが5390円、3〜4GBまでが6200円、4〜5GBまでが6900円で、5〜20GBまでが7500円だ。この金額には、5分間の通話定額「スーパーカケホ」や、ネット接続料の「LTE NET」も含まれている。
 この状態で、KDDIや提携企業の固定回線を一緒に契約すると、「auスマートバリュー」が適用され、料金が下がる。auスマートバリュー適用後は、3GBまでが3980円、3〜4GBまでが4790円、4〜5GBまでが5490円、5〜20GBまでが6090円で、それぞれ1410円の割引が受けられる。この金額は、データ定額5やデータ定額20、LTEフラットに対するものと同じだ。
 最低料金が2980円になるには、さらに家族も同時に新規契約をしなければならない。18歳以下のユーザーと家族がau回線を持つと、それぞれの料金から1000円が割り引かれる。結果として、3GBまでの料金プランが2980円になるというわけだ。もちろん、他のデータ利用量でも、この割引額は同じ。割引適用後の金額は、3〜4GBが3790円、4〜5GBが4490円、5〜20GBが5090円になる。
 条件が2段階あって少々複雑だが、学割天国U18特有の魅力は、「段階制のプランが選べることと」「トータルの金額が通常契約より安いこと」「家族が契約した際の割引があること」の3点に集約される。
 段階制のメリットは、使うデータ量に応じて金額が変わるため、あまりデータを使わないユーザーも、データを大量に使うユーザーも、納得して契約ができるところにある。逆に言えば、損をしづらいプランといえる。
 個別に1700円のスーパーカケホ、300円のLTE NETとデータ定額を契約すると、3GBの「データ定額3」を選んだ場合、合計の料金は6200円になる。U18データ定額20は、3GBの場合で通常よりも810円安く設定されている。また、auの場合、4GBのデータ定額がないため、4GB利用するユーザーは5GBの「データ定額5」を選び、7000円支払わなければならないが、U18データ定額20だと6200円で、その差は800円になる。
 2980円という数字を打ち出したかったためか、U18データ定額20はセット料金という体裁で、既存のプランと比較がしづらい部分はあるが、トータルの金額同士で見れば、学割のお得度の高さが分かるはずだ。KDDIの田中孝司社長が「究極の学割を作っていきたい」と胸を張るのもうなずける。

●データ量の多極化が学割天国導入の理由、格安スマホに対抗も

 学割として段階制の料金プランを導入した理由は、ユーザーによって利用するデータ量が異なり、しかもその差がかなり大きくなっているからだ。田中氏が紹介した2016年の学割の実績によると、3GB以下しか利用しなかったユーザーが23.5%いたのに対し、10GBを超えるユーザーは25.3%、5〜8GBのユーザーも25.9%存在する。つまり、人によって使うデータ量はまちまちで、年齢層による傾向が見いだしづらいということになる。
 また、同じ人でも「学校が休みのときはガンガン使う、学校に行っているとスマホを持ってきてはいけないところもあり、そうするとデータ量が少ない」(田中氏)と、時期による変動もある。ここに合わせたプランを作ろうとすると、データ量が少ないプランだけでは不満が出るし、2016年のようにデータ量を増やすだけでもお得感が生まれない。田中氏は「両方のお客さんが満足でき、使い方が変わっても柔軟に対応できる」と述べていたが、やはり1つの料金プランで全てをカバーしようとすると、段階制は最適な解だ。
 ただし、“素の状態”のU18データ定額20では、勢いを増すMVNOの料金プランや、Y!mobileなどと比べるとやはり金額面で見劣りする。「前はMNOのセールスシーズンにはMVNOが減る方向だったが、この前のiPhone(7)から、シーズンが重なるようになってきた」(田中氏)と、市場の動向も変化している。KDDIとしては、ここに対抗する必然性が出てきたというわけだ。
 競合他社を見ると、1年間の期間限定ながら、Y!mobileはデータ容量2GBの「スマホプランS」が1980円。詳細は異なるが、KDDI傘下のUQ mobileも、同様のプランを展開している。楽天モバイルやFREETELのようなMVNOに至っては、端末をセットにして、ここに近い価格を打ち出している。そこでKDDIはauスマートバリューや家族の新規加入など、「いろいろな制限がある」(田中氏)形で、限定的にこの市場に対抗した。田中氏が「格安スマホの領域に、片足が入っている」と語っていたのは、そのためだ。
 それでもY!mobileやUQ mobileより1000円ほど高いが、「MNOは何もしないではなく、iPhone 7やいろいろなサービスがついている」(田中氏)と対抗心をのぞかせる。1000円の差分は、MVNOやサブブランドにはない最新の端末や同時に開始した「auスマートパスプレミアム」で埋めていくということだ。「MNOはiPhone需要が基本になる。ここをベースにやっている」(同)。田中氏がこう語るように、春モデルは、iPhoneには足りないピースを埋める端末ラインアップに仕上がっている。主役はiPhone 7、iPhone 7 Plusで、その脇を固める端末をそろえたという言い方もできそうだ。

●春モデルは特化型端末でiPhoneの脇を固める

 春モデルは、ボディーソープで洗える「rafre」や、親が使える管理機能を強化し、ココセコムとも連動する「miraie f」、ボディーがコンパクトで自撮り機能を強化した「AQUOS SERIE mini」など、どれも各メーカーの顔となるフラグシップモデルではない。一方で、ここに一言で紹介したように、それぞれiPhone 7やiPhone 7 Plusにはない、明快な特徴を持った端末だ。
 これらに加え、6年ぶりに復活したLTE対応のタフネスケータイ「TORQUE」をラインアップに加えた。タフネスケータイは、アウトドアを趣味にするユーザーから根強い人気があるのと同時に、耐衝撃性やテンキーでの操作性、バッテリーの持ちは、iPhoneにはない強力な売りといえる。それが全てユーザーに必要なわけではないが、一定規模のマーケットは確実にある。
 コンパクトで片手持ち可能なWi-Fiルーターの「SPPED Wi-Fi NEXT」や、家庭内に置き、WiMAX 2+やLTEを固定回線の代替として使うことを想定した「SPEED Wi-Fi HOME」も、引っ越しが多い新生活シーズンのニーズに合ったものだ。
 さらに、KDDIの新提案として、LTEに対応したNASの「Qua station」を発売する。Qua stationは、写真や音楽などを保存しておくためのストレージで、容量は1TB。「16GBのiPhoneを使っていて、(データがいっぱいになってしまい)OSのアップデートもできないという声を、女子高生などから聞く」(KDDI担当者)というのが、企画の出発点。ライトユーザーに合わせ、設定を簡易にするために、LTEに対応させ、シェアプランで月額300円(キャンペーンで36カ月間無料)から契約できるようにした。
 LTEを使って写真を転送できるため、そのぶん利用するデータ容量は増えてしまうことになるが、「画像は圧縮し、動画もトランスコードをかけ、データ容量を食わないように工夫している」(KDDI担当者)という。また、学割天国U18の対象ユーザーであれば、最大で20GBのデータを利用できる。よほど極端な使い方をしなければ、途中でデータ容量が尽きてしまうこともないだろう。段階制プランを導入したKDDIにとっては、ARPUを上げる武器にもなる。
 auの学割が、ユーザーからどのように評価されるのかは未知数だが、内容を見た限りでは、サブブランドやMVNOに一矢報いた印象も受けた。また、学割は、キャリアにとって、テストマーケティング的な側面もある。事実、2016年は学割で3社が容量の大幅アップを行い、その後、ソフトバンクが「ギガモンスター」として20GB、30GBプランを導入。ドコモやauもここに追随した。この視点でauの学割天国を見ると、段階制プランを正式導入する布石にも思えてくる。似た形の料金プランは、一部MVNOが展開し人気を博しているため、auの学割天国の反響や収益性次第では、MNOに広がる可能性もありそうだ。
Copyright (c) ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

はてなブックマークに保存

最新トピックス

ITトピックス

芸能写真ニュース

旬なニュースを配信中 フォローしてね!

注目ワード

イチオシ情報

話題の投稿画像

恋愛&結婚

「KDDIが「学割天国U18」で“段階制”のデータ定額を打ち出した理由」の関連ニュース

注目ニュース
雪の中に打ち上げられた「柴犬ロケット」がかわいすぎる! ねとらぼ1月18日(水)18時15分
雪が降った時の犬の行動として、童謡「雪」では「犬は喜び、庭かけまわり」と歌われていますが、その歌詞通りに雪の中を元気に駆け回っている柴犬の…[ 記事全文 ]
3分で分かるNintendo Switch ITmedia PC USER1月19日(木)6時0分
任天堂が詳細を発表した新型の家庭用ゲーム機「NintendoSwitch」。具体的にどんな機種なのか、ゲームは何ができるのか、1本1本の記…[ 記事全文 ]
「あれは何ですか?」「Wi-Fiです」 時の止まった空間・軍艦島に便利だけどズコーッなものが設置されていた ねとらぼ1月18日(水)17時10分
長崎県の軍艦島(正式名称:端島=はしま)に、場違いな文明の利器が設置されていると話題になっています。[ 記事全文 ]
最も危険なパスワードは「123456」 2016年に情報漏えいした1000万件を分析 BIGLOBEニュース編集部1月17日(火)18時24分
パスワード管理アプリなどを提供する「keeper」が、2016年に漏えいしたパスワード1000万件を分析し、最も多かったパスワードのランキ…[ 記事全文 ]
時代はガラケー回帰? あのGalaxyに二つ折りXシリーズ発売間近か GIZMODO1月18日(水)18時8分
やっぱり折りたたみたい?フリップ式の携帯電話といえば、日本のガラケーことフィーチャーフォンのお家芸のような分野ではありましたけど、その流れ…[ 記事全文 ]
アクセスランキング
1 雪の中に打ち上げられた「柴犬ロケット」がかわいすぎる!ねとらぼ1月18日(水)18時15分
2 「あれは何ですか?」「Wi-Fiです」 時の止まった空間・軍艦島に便利だけどズコーッなものが設置されていたねとらぼ1月18日(水)17時10分
3 3分で分かるNintendo SwitchITmedia PC USER1月19日(木)6時0分
4 これがMicrosoftの折りたたみスマートフォン? まるで小型のSurfaceや…GIZMODO1月18日(水)11時6分
5 VRに"ニオイ"をプラスする小型デバイス「VAQSO VR」発表マイナビニュース1月18日(水)10時57分
6 最も危険なパスワードは「123456」 2016年に情報漏えいした1000万件を分析BIGLOBEニュース編集部1月17日(火)18時24分
7 「アパホテル」中国のSNSで“炎上” 「南京大虐殺を否定するCEOの著書が客室に」 告発動画「微博」で6800万再生ITmedia ニュース1月17日(火)11時45分
8 時代はガラケー回帰? あのGalaxyに二つ折りXシリーズ発売間近かGIZMODO1月18日(水)18時8分
9 東芝、フラッシュメモリ事業の分社検討 「Western Digitalと合弁交渉」報道にコメントITmedia ニュース1月18日(水)10時54分
10 フォーカルポイント、iPhone 7/Plusを“置くだけ充電”可能にするバッテリーケースITmedia PC USER1月17日(火)15時34分

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。

データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア