NEDOとダブル技研ら、人の手を模したロボットハンド「からくり」を開発

1月14日(日)21時17分 財経新聞

イチゴをつかむロボットハンド「F-hand」と人間の手の比較(写真、NEDOの発表資料より)

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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とダブル技研、都立産業技術高専は11日、極めて単純な制御だけでさまざまな形状の物を安定的にかつ優しくつかむことができるロボットハンドの「からくり」の開発に成功したと発表した。

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 ロボットにとって、果物や工具のように一つ一つの形や重さがバラバラで不定形な物などをつかむことは難しい。従来、ロボットハンドでさまざまな形状の物をつかむには、指の一本一本や関節の一つ一つなどにセンサーやモーターなどを組み込み、それら多数の電子部品を制御する複雑なプログラムが必要であった。

 今回、極めて単純な制御だけでさまざまな形状の物を安定的にかつ優しくつかむことができるロボットハンドの「からくり」の開発に成功。「からくり」とは、電子制御に頼らずに望ましい動作や挙動を実現するための、機械装置の構造的な仕掛けだ。

 「からくり」は人間型5本指の「F-hand」、産業用の3本指ハンド「New D-hand」、軸受けなどを使わず紙だけで構成された「オリガミハンド」の三種類。

●人間型5本指の「F-hand」の特長
 可能な限り人の手の構造や大きさを模したロボットハンド。イチゴや桃などの果実を傷つけずにつかむことや、電動ドリルなどの工具をしっかりと握ることができる。

 サイズは、全長37.5センチメートル(ハンド部19センチメートル、前腕部18.5センチメートル)、全幅13.5センチメートル。重さは、705グラムだ。

●3本指ハンド「New D-hand」の特長
 産業用にニーズの高い3本指のロボットハンド。洗剤パックなど柔らかい形状やサイズが多様な商品を安定的かつ優しくつかむ。

 サイズは、全高23.4センチメートル、全幅奥行22.8センチメートル。重量1.4キログラムだ。

●紙だけで構成された「オリガミハンド」の特長
 紙一枚で構成。使い捨て可能なロボットハンドとして食品や医療などの衛生分野や、軽さや構造の簡単さを生かして宇宙環境、深海、電子顕微鏡などの用途を想定。

 通常サイズは、全長11.7センチメートル、高さ5.2センチメートル、幅1.5センチメートル。重さは9.3グラムで、本体のみは3.3グラムと超軽量だ。

●ロボットハンド(NEDOら、「からくり」)のテクノロジー
 協調リンク機構と指先なじみ機構を駆使することで、基本的な動作を1個のモーターで作動可能という。

 協調リンク機構は、ロボットハンドの手(手のひらと全ての指)の全体が連動して対象物に自然になじむための構造。この構造で、センサーやモーターで制御せずとも、物理的な構造自体が自動的に、力を均一に分散させることや、対象物の形状に合わせて手を屈曲させることが可能になった。

 指先なじみ機構は、特に指先が対象物にぴったりと接触するための構造。人間の人差し指と中指が親指と一緒に物をつかむ場合、人差し指や中指の指先が、微妙に回転することで接触面を大きくする。この構造を模倣し、ロボットハンドが物を確実につかむことに成功した。

 NEDOは、政府の「ロボット新戦略(2014年度策定)」を受け、「次世代人工知能・ロボット中核技術開発(2015年度〜2019年度)」を推進している。今回開発した3種類のロボットハンドについては、1月17日から19日まで東京ビッグサイトで開催される「第2回ロボデックス」に出展する。

財経新聞

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