思い込みや偏見は、正しいデータを見ても記憶を歪ませてしまう:実験結果

1月16日(木)10時0分 lifehacker

昨年、世界中で大ヒットした書籍『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』。年末年始に読んでみたという方も多いかもしれません。

同書には「データをきちんと正しく把握したうえで事実を捉えよう」というメッセージが込められていますが、改めて事実を捉える上で心に留めておきたいような研究結果内容がオハイオ州立大学から発表されていました。


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FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣




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思い込みは、正しいデータを勝る場合がある同大学が行なった実験によると、私たちはなにか強い思い込みのある事柄、事象について、

自身の思い込みとは逆を示すデータ結果が出ていると知っても、無意識のうちにそのデータ結果を歪めて自身や世間の思い込みに沿った内容で記憶にインプットしてしまう傾向にあるそう。

自分の曖昧な記憶やイメージだけではなく、正しいデータを見ているにも関わらず、記憶に誤ってインプットされているとは驚きです。

いったいどのような実験だったのでしょうか。

何故インプットが歪んでしまうのか?
情報がまとまらない

Image: Shutterstock
実験では、110名の被験者に社会問題に関する4つの説明を読んでもらいました。

4つのうち2つは、実際のデータが多くの人の認識と一致する内容のトピックを取り扱い(例えばアメリカでは同性婚に対して反対より賛同している人のほうが多い など)、残りの2つは実際のデータが多くの人の認識とは異なるであろうトピックを選定します。

例えば、2007年から2014年の間、アメリカにおけるメキシコからの移民数は実際に減少していますが、そのことを示すデータを含む資料を被験者に読んでもらったところ、多くが自分たちの予想に反してその期間実際に移民の数が減っていることを知り、驚きました。

実際に眼球の動きをトラッキングしてみると、数の減少を示す箇所を読んでいるあたりでは何度も反服してその数字を目で追っていたそう。

つまり、他の箇所よりもその数字の箇所は注意深く読み込んだ分、正しいデータが脳にインプットされているはずなのですが、資料を読み終えた後の回答は、「移民の数は増えている」という人が大多数を占めたというのです。

○○すると、さらにゆがみは悪化するこの実験を率いたメンバーのひとりであるJason氏はこう述べています。

「人は意図的に事実を歪めているわけではありませんが、もとから自分のなかで作りあげられている偏見が作用しているのでしょう。

そしてその誤った情報を他人とシェアするとき、事態はさらに事実とは大きくかけ離れていってしまうようです」

「オハイオ州立大学」より翻訳引用

今回の実験では、伝言ゲームのように、最初の一人目が読み込んだ資料の記憶を元にして、メキシコからの移民の数を紙に書き出し、その紙を隣に回して次々に数字を書き出していきました。

その結果、最後の人が書いた数字は、減っているどころか一人目が書いた数字よりも何倍にも膨れ上がっていたとのこと。

つまり、人へと伝達される場合、このゆがみの傾向はさらに大きくなる、と言えそうです。

オハイオ州立大学によれば、資料の読み込みの際に、数字が減少している理由について詳細な説明を受けたり、その他外的な情報のインプットなどにより、実験結果が変わってくる可能性はあるそう。

それでも今回の結果は、私たち誰もが持っている思い込みや偏見の影響力の大きさを示すものだと言えます。

ファクトチェックの際に気をつけたいこと
True Or False

Image: Shutterstock
ただでさえ私たちは日頃から意識しなくても膨大な量の情報に溺れています。

知らず知らずにうちに思い込みが増長したり、今回のように事実を確認していても、なお偏見や周りの大多数の意見に左右されてしまう危険性がある、という事実をまずは知っておくことが大切なのかもしれません。

何か発言をする場合には、その事柄や事象についての数字やデータなど、しっかりと根拠のあるリソースをベースにしたファクトチェック(真偽検証)を行うようにしましょう。

記憶の定着のためにも、できる限りその事実の裏付けとなる理由も併せて確認しておくこと、また複数の信頼のおけるリソースをいくつか組み合わせるとなお信頼のおける情報となりそうです。

情報をすぐに鵜呑みにしない情報を受信する際には、とにかくなんでも情報をすぐに鵜呑みにしないことが重要です。

クリックしたくなるような見出しや画像だけで物事を判断せず、その情報源を自ら信頼のおける複数のソースで確認する、というアクティブな情報収集を心がけましょう。

日々触れる情報量が少なくても、それが積もればそれが価値観の形成にもつながります。自分の思い込みや偏見で視界が曇っていないか、常に自問するクセをつけると良いかもしれませんね。

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Image: Shutterstock

Source: The Ohio State University

lifehacker

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