バイデン政権のAI半導体向け輸出規制案、なぜこのタイミングでの発表なのかを考える
2025年1月16日(木)17時8分 マイナビニュース
バイデン政権は1月13日(米国時間)、強力なAIシステムが中国やロシアなどの対立国に流出し、軍事転用される恐れから、AI向け先端半導体の輸出について新たな規制案を発表した。
日本など20近くの同盟国は今回の規制対象になっておらず、AI向け先端半導体を輸入することができるが、多くの国には数量制限が設けられている。この規制案をめぐっては、シリコンバレーに拠点を置く半導体大手のNVIDIAが過度な規制だなどとする声明を発表したほか、業界団体からも反発の声があがっている。では、なぜこのタイミングでAI半導体向け輸出規制を発表したのだろうか?。
まず、実績づくりがあるだろう。これはどの大統領にも当てはまることだが、一般的に大統領は任期が終わるにあたり、何かしらの実績を強調し、自らの名前を米国の歴史に刻もうとする。バイデン氏はこの発表に先立つ1月3日、日本製鉄によるUSスチール買収を阻止する決断を下したように、AI向けの先端半導体の輸出規制も発表することで、バイデン政権の4年間を偉大なものとして米国の歴史に残そうという政治的思惑があったことは間違いない。
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