好きなアイドルの1分1秒が私の人生には必要なんです! 「推しが武道館いってくれたら死ぬ」1話 愛ゆえの暴走が止まらない

1月16日(木)11時22分 ねとらぼ

推しのカラー(サーモンピンク)は2本持ち!(1話) (C) 平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会

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 大好きなアイドルがいる。彼女は生きているだけでファンサ。だから人生を賭けて推します! 「推しが武道館いってくれたら死ぬ」は地下アイドルChamJamの市井舞菜と、彼女を命がけで推すえりぴよを描いた、情熱的でコミカルなアイドルファン物語。
 ついに1話が始まりました。原作の繊細な画風をそのまま生かし、ハキハキとアイドルたちが踊る!オタクたちが騒ぐ! シリアスタッチな空気なのにギャグシーン多めな、ドルオタたちの人生が見えるこの作品の魅力に迫ります。
●えりぴよ、愛の形
 メインキャラクターとしてアイドルのオタクが多数登場するこの作品。メジャーアイドルではなく、岡山の地下ライブハウスでこつこつと頑張るインディーズアイドル、いわゆる地下アイドルの「ChamJam」を推しまくっています。
 なぜ、オタクたちはアイドルを推すのか。
 それはアイドルがかわいいからです。それ以上の理由いる? いらなくない?
 もともとはアイドルに興味が無かったえりぴよ。彼女がChamJamの市井舞菜にほれたのは一瞬の出来事。知らない自分に手を振ってくれた時、彼女の世界が変わりました。
 もちろんファンそれぞれにChamJamを推す思想はあるでしょう。しかしえりぴよは「舞菜がかわいい」が全てです。
 以前はまともな服を着ていたのに、今は人生の全てを舞菜につぎ込んでいるので、服を買うことすらできず、ジャージですごしています。
 うん、頭おかしい。作中の他のオタクたちですらちょっと距離をおいているくらいには。ただ名セリフの一つ「私の人生には舞菜の1分1秒が必要なんです!!」という発言を聞くと、洋服どころじゃないのはちょっと分かる。他に意識を向けることで舞菜の何かを見逃してしまったら永遠に後悔しかねないから、彼女は命の全てを注ぎます。
 ChamJamの中でも人気が高いのは、しっかりしたリーダーシップを取れる五十嵐れおと、クールめでしっかりしたファンサも欠かさない松山空音。一方舞菜は驚くほど目立たない。握手会ではえりぴよしか並ばないほど。……といっても深刻な人気争いとかがあるわけではなく、えりぴよが舞菜の分を買い占めてしまっているから、という説も。この作品は、シリアスっぽいシーンでも基本的にギャグオチが多いので、そのへんは安心して笑いながら見よう。彼女のメンバーカラーが「サーモンピンク」なのも、あんまり深読みしなくていい気がします。でも鮭はないよなあ。
 えりぴよの奇行は今後も多数出てきます。正直むちゃなことの方が多いのですが(今回も大ケガしてるし)、彼女なりに真剣に愛を叫んでいるため、発言一つ一つは非常に重く、名言ぞろいです。命かけてる人の言うことは違う。
●3人のオタク
 メインになる登場人物がだいたいわかりやすく登場し、個性を出している1話。特に話の中心になるオタク3人衆はドルオタの個性3パターンをうまく表現しており、存在感抜群でした。
 ぽっちゃりした眼鏡のオタクくまさ。ずっとれお推し。彼は常識人で、ドルオタとしてのマナーをしっかり守りつつ、熱心に推し活をしています。彼の情熱は、ChamJamファンの間でもトップオタとして認められるほど。
 自らは謙虚に、アイドルに敬意を払って愛する真摯な姿勢を保ち続ける彼。言動が非常にかっこいいです。
 ひょろっとした細目の男性、基。空音推し。空音にぞっこんにほれ込むリアコ・ガチ恋勢(本気で恋をして、あわよくば付き合いたいという願望を抱えているファン)。くまさが「アイドルとファンの距離感でいたい」と考えるのに対して、基は「空音の一番に自分がなりたい」「独り占めしたい」というタイプ。なのでちょっと頑張りのベクトルが違います。
 彼のような推しスタイルは、嫉妬と戦わねばいけないのでなかなか大変そうですが、空音はうまーい具合に彼を喜ばせつつ距離をおいているのがプロフェッショナル。
 そして、ただひたすらに「好き」「かわいい」だけで突き進むえりぴよ。猪突猛進な暴走列車すぎるので、周りに引かれることも多々ありますが、迷惑はかけないように頑張っているのが好感持てます。
 やりすぎ舞菜ファンとして、スタッフにも他のファンにもすっかり認知されている様子。もっとも本人はそのへん気にしていません。
 加えて、えりぴよは舞菜からのリターンを一切求めません。「かわいい舞菜が生きていることが一番」というタイプで、ひたすら無私の愛をささげます。
●夢の国の舞菜
 この話は大きく分けて「えりぴよ達オタク側の視点」と「舞菜から見るえりぴよへの視点」の2つがすれ違い続ける形で話が進行していきます。
 えりぴよ視点だと見ての通り、舞菜は超絶塩対応(愛想がない冷淡な対応のこと)。周囲の人もみんな知ってるレベルで、距離を取られている。これでめげないえりぴよの心の強さがすごい。
 しかし実は彼女他の人には神対応の優しい子。自分のことを大切に推してくれているえりぴよに対して、素直になれないがゆえの行動、らしい。
 アニメでは原作で入っていた舞菜のモノローグがあえて削られているので、本当に彼女がそっけないかのように錯覚しますが、ラストで彼女の本音を聞くことができます。お互いのことしか見ていなかった2人、勘違いの連続でとことんかみ合わない。
 ちょっと切ない関係にも見えますが、舞菜の回想シーンではいくらが飛び交っているのであんまりシリアスにも見えない。このとらえどころのなさが、作品の魅力のひとつです。
 2人で撮ったチェキは、距離が遠すぎてハートにすらならない。これはえりぴよが、汗をかいて汚い自分に近寄らせるわけには行かない、という羞恥心が働きすぎたがゆえ。舞菜は弱気で引っ込み思案なため、言われるがままに距離が離れてしまった、という感じ。
 思いを伝えられない舞菜と、嫌われていると感じているえりぴよ。次のライブでまた会える、という不思議なアイドルとオタクの信頼感の元、遠すぎる距離からお互いを見続けていきます。
 にしてもアイドルが1人だけをひいきするわけにはいかないので、もしえりぴよに思いが伝わったとしても、それはそれでしんどそう。好きになればなるほど壁を感じてしまう、その歯がゆさすらもアイドルの魅力、なのかな。
 原作の機微をうまく拾い上げながら、ギャグ部分と熱血部分のメリハリがしっかりしており、テンポよく見られた1話。特に「ChamJamがものすごくかわいい」というアイドル描写へのこだわりは見事。ダンスシーンはつい見入ってしまうクオリティーでした。アニメ2話以降も期待大です。

ねとらぼ

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