超高密度な金属ガラスを特殊な合成方法で実現 東北大らの研究

1月16日(木)8時38分 財経新聞

今回の研究の概要。(画像: 東北大学の発表資料より)

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 近年、金属のように優れた強度を持ちながらガラスのように精密な成型ができる「金属ガラス」が、研究の場で注目されている。だがこれまでは、常圧下での制御、分析が行われてきたためガラスから結晶へすぐに変化してしまい、その本当の姿は明らかでなかった。そんな中、東北大学と物質・材料研究機構の共同研究グループは15日、金属ガラスに高圧熱処理を施して新たな特性を発見したと発表した。

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 研究グループは、金属ガラスに高圧で熱処理を行うことにより、ガラス状態から結晶への変化を防止するアプローチを取った。そしてそこから一気に急冷することで、ガラス状態のまま常圧下で試料を回収したのがポイントである。

 通常であれば常圧下ではガラス状態よりも結晶状態の方が安定なため、ゆっくり冷却すれば徐々に結晶状態へ変化する。しかし急冷することで、ガラスから結晶に変化する前に冷えて固まってしまうのである。

 このような制御方法は、例えば日本刀などの製作においても同様にみられる。日本刀の形を成型する時に、熱いうちに鉄を叩いた後に急冷が行われる。これは、急冷することによって熱い時の特殊な結晶構造を保持したまま常温に戻すためである。この特殊な結晶構造によって強度の高い日本刀が作られるのである。

 得られた金属ガラスの試料は、大幅に密度が高い特異な状態にあることが測定の結果で明らかになった。また機械的な強度も、これまでの結晶化した金属ガラスよりも高いことが分かっている。これらのことから、今回得られた状態はこれまで結晶化によってみることのできなかった「未見のガラス」であると研究グループは述べている。

 今後は、金属ガラスの状態や構造などについて詳細な調査を行う予定で、金属ガラスに限らずガラス材料の研究において重要な知見が与えられると期待される。

 研究成果は、2019年12月6日付のNPG Asia Materials誌のオンライン版に掲載されている。

財経新聞

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