若い星を取り巻く円盤から多数の有機分子を発見 アルマ望遠鏡

2月7日(木)9時2分 財経新聞

原始惑星系円盤の模式図。スノーライン付近の有機分子が放つ電波をアルマ望遠鏡が捉えた。 (c) 国立天文台

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 国立天文台は5日、アルマ望遠鏡を使って「オリオン座V883星」と呼ばれる若い星を取り巻くガスと塵の円盤を観測し、多数の有機分子を発見したことを発表した。惑星系の元となる原始惑星系円盤がどのような物質から構成され、進化していくのかが、観測から明らかになった。

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 韓国のキョンヒ大学や東京大学らの研究者から構成されるグループは、地球から約1,300光年彼方のオリオン座V883星の原始惑星系円盤を観測し、メタノールやアセトアルデヒド、アセトンなど多数の有機分子を発見した。

■惑星系へと進化する原始惑星系円盤
 原始惑星系円盤は、生まれたばかりの星の周囲を取り巻き、ガスや塵が集まることで作られる。星から遠い場所ほど原始惑星系円盤の温度は低くなるため、外側ではさまざまな有機物と水から構成された氷が塵の表面に付着していると考えられる。岩石と氷でできた彗星の誕生現場となるこの領域で氷の成分を調べることは、彗星の成分の由来を調べるのに役立つという。

■有機分子からの電波を捉えるのは困難
 ところが、氷に閉じ込められた有機分子は電波を放たないため、通常状態にある若い星からその電波を観測するのは難しい。そこで研究グループは、オリオン座V883星の原始惑星系円盤内の氷から放たれる電波を観測するため、国立天文台が運営する南米チリのアルマ望遠鏡を活用した。その結果、一般的な原始惑星系円盤に比べて、有機分子の存在比が約1,000倍以上高くなっていることが判明した。

 オリオン座V883星は、100年程度しか続かない一時的な大増光の最中だ。若い星で時折見られるこの現象は、周囲を取り巻く円盤から大量の物質が星に落下することで発生する。星が急激に明るくなると円盤の温度が高くなるため、円盤内で氷が昇華する温度になる「スノーライン」が外側に移動する。星に近い場所では塵が、星から遠い場所では氷が有機分子の放つ電波を遮断するため、スノーライン付近から放たれた電波をアルマ望遠鏡が観測したことになる。

 「彗星に限らず、地球型惑星や氷惑星は円盤内の固体物質の集積で形成されるため、その組成を解明することは惑星系形成の研究にとって非常に重要だ」と、研究グループの一人である東京大学の相川祐理氏は述べている。

 研究の詳細は、英天文学誌Nature Astronomyにて4日に掲載されている。

財経新聞

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