サイボウズ、2025年12月期の純利益が42%増‐主力の「kintone」が好調
2025年2月13日(木)19時2分 マイナビニュース
サイボウズが2月13日に発表した2024年12月期の連結決算は、純利益が前期比42%増の35億円だった。特別損失に事業構造改善費用を計上したことなどが影響した。売上高は16%増の296億円で、クラウド上で提供するサービスの売上が引き続き積み上がり、価格体系改定などによる影響も受けた。経常利益は49%増の53億円だった。
主力製品である業務アプリ構築クラウドサービスの「kintone(キントーン)」は、2024年12月末時点の国内契約社数が3万7000社と順調に推移している。同製品の売上高は24%増の161億円だった。TVコマーシャルでは「業務改善に役立つクラウドサービス」としての認知獲得を目的とした広告展開に加え、前期から継続して「業務改善のためのアプリが自分で作れる」という製品価値の訴求を強化した。
また、2024年7月に1000ユーザー以上の大規模利用に特化した「ワイドコース」の提供を開始。作成できるアプリ数の上限を引き上げ、大規模利用向けに特化した機能なども用意。エンタープライズ領域のDX手段としてノーコード開発ツールの採用が進む中、kintoneはプログラミングの専門知識がなくても容易にシステムを構築できるという特性が導入数を伸ばしている。
加えて、kintoneがより多様な業務や情報共有に対応できるよう、2024年10月には新オプション機能「メール共有オプション」の販売を開始。さらに、生成AIを組み合わせることで、チームのデータ活用を支援するAI新機能「kintone AIアシスタント(仮称)」β版利用ユーザーの募集を開始するなど、AI技術を活用した製品開発も進めている。
自治体への導入も拡大しているといい、2024年12月末時点の自治体導入数は約380となった。今後も自治体での本格導入や全庁展開をさらに促進していく。
2025年12月期の通期業績ついては、純利益が前期比74%増の59億円になる見通しだと発表した。売上高は21%増の350億円、経常利益は55%増の98億円になる見通し。クラウド関連事業の堅調な売上増加を踏まえ、引き続き将来の収益力を高めるための積極的な投資を行っていく考えだ。